図面のやり取りをしていると、ファイル形式の異なるデータをもらうことがあります。
または、作図したものを、客先に合わせたファイル形式にして保存しなければならないこともあるでしょう。
壊れているデータや、どうしても開けないファイルも中にはあるかもしれません。
JWCADを使っている場合、DXF変換されたファイルを開いて使うにはどうしたらいいか、または、客先に渡す際、DXFファイルに変換する方法について解説していきます。
DXFファイルとは?
DXFファイルとは、AUTO DESK社から出ているAutoCADで作図したデータを保存する際のファイル形式のひとつです。
通常、AutoCADで作図したデータを同じ AutoCADをインストールしたパソコンで開く場合には、ほかのファイル形式で保存しても問題はありません。しかし、AutoCADをインストールしていないパソコン、またはAutoCAD以外のソフトで開く場合には、DXF形式に変換しておくのが一般的です。
AutoCADで作図したファイルの保存を考えるとき、バックアップファイルと自動保存ファイル、テンポラリファイルを理解しておく必要があります。バックアップファイルは、一般的に手動で.dwg ファイルを保存すると、その度に作られる性質を持っています。ファイル名は.dwg ファイルと同じままですが、拡張子だけが.bakに変換されるのが通常です。
バックアップファイルは、常に1つ前のバージョンで保存されていきます。ただし、保持されるデータは1つだけしかありません。そのため、最終的に保存されるときには、ファイル名はそのままで新しいバージョンとして保存されます。
自動保存ファイルとは、自動保存機能によって保存されるファイルのことです。AutoCADは、デフォルトが自動保存で設定されています。保存の間隔は分単位になっており、書き換えられるのは、最終保存したファイルに何らかの変更を加えたタイミングです。自動保存は、パソコンに不具合が生じて正常な動作ができなくなった場合には便利ですが、任意のタイミングで保存したい場合には不向きかもしれません。
テンポラリファイルは、パソコンがフリーズまたはクラッシュした場合に保存されることがあります。
AutoCADに使われるさまざまなコマンドの情報は入っていますが、修復可能な図面データは期待できません。
DXFファイルに変換する方法
AutoCADで作図した図面をほかのCADソフトで開くには、DXF形式のファイルに変換しておく必要があります。できれば、データを送る前に、客先が使っているCADソフトは何かを聞いておくと間違いがありませんし、親切です。わからない場合も、あらかじめDXFファイルも用意しておき、送ってあげるほうがいいでしょう。そうすれば、万が一客先がファイルを開けないときに、データを送り直すという手間もかかりません。
AutoCADで作図した図面をDXFファイルに変換するには「ファイル」から「名前の保存」で、右端にある黒の逆三角形をクリックしてDXFを選択します。ファイルをDXFに変換するには、これだけでいいのですが、実際にはバージョンがいくつかあります。どのバージョンを選択するかは、客先に確認したほうがいいかもしれません。確認できない場合には、できるだけ古いバージョンにしておくと、どのバージョンでも開くことが可能です。新しいバージョンのDXFで送った場合、客先がそれより古いバージョンに対応していると開くことはできません。しかし、客先より古いバージョンに変換しておけば、開ける可能性が高くなるからです。
DXFファイルを開く方法
AutoCADで作図し、DXF形式に変換されたファイルを開くには、メニューバーの「ファイル」から「DXFファイルを開く」を選択しましょう。ただし、この方法ではDXFファイルを開くことが目的なので、ほかのファイルを開くことはできません。また、あらかじめDXFファイル形式に変換されていることが前提です。
AutoCADで作図された図面データであっても、DXFの拡張子が付いていない場合は、そもそもファイル形式が異なっているので、DXF形式に変換したデータを送ってもらいましょう。
DXFファイルをJWCADで開く方法
支給されたDXFファイルをJWCADで使う場合、DXFファイルをさらにJWW形式に変換する必要が出てきます。
まず「ファイル」から「DXFファイルを開く」を選択しましょう。次に、開きたいファイルを選択します。ファイルが無事に開いたら、何もせずに「ファイル」、「名前をつけて保存」を選択して「ファイル選択」にある「新規」をクリックしましょう。それから名前を変えて保存すれば完了です。
また、JWW形式のファイルを、AutoCAD用に変換することもできます。
はじめに、変換したいファイルを画面上で開きます。次に「設定」から「基本設定」を選択しましょう。DXFタブを開いて「図面範囲」と「点や円で出力する」にチェックを入れます。ツールボックスにある選択コマンドを使い「全図面範囲」を指定します。次に「全属性クリアー」にチェックを入れてOKをクリックしましょう。「ファイル」から「DXF形式で保存」を選択すれば、DXFファイルとして保存できます。
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DXFファイルが表示されないのは?
AutoCADで作図した図面をDXFで支給されてもらったにも関わらず、開こうとしてもデータが表示されない場合があります。または、自分でDXFファイルに変換したはずなのに見当たらない場合も、同じように表示されていないだけかもしれません。このような場合は、いくつかの理由を考えることができます。
まず、支給されたデータが開けない場合ですが、1つはMac版で作成された可能性を考えてみることです。またはバイナリDXFの場合も開けないことがあります。それ以外であれば何も開けないということは考えにくいので、図面が縮小されている、またはその逆で拡大されているのかもしれません。
または、本来の図面範囲からずれている可能性もあります。
まず、設定から「基本設定」→「一般」と見ていき、そこにある線や点の数字を確認しましょう。数字が0になっていれば、読み込めていないということです。しかし、0以外の数字があれば開ける可能性があります。その場合は、設定の「基本設定」から「DXFの読み込みを選択して「図面範囲を読み取る」にした状態で再びファイルを開いてみましょう。
DXFファイルをスムーズに開くには、互換ソフトを利用する方法もあります。
いくつか互換ソフトがあるので、試してみるといいかもしれません。無料で試せる互換ソフトもあるので利用してみましょう。
ただし、それでも開けない場合は、そもそも支給されたデータが壊れている場合もあります。いろいろ試して開けないなら、支給されたところに問い合わせするほうが確実です。自分で変換したデータは、変換がうまくできていないか、保存できていない可能性があります。もう一度やり直してみましょう。
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