- 2024年08月02日
水道工事に必要な資格は?水道技術管理者と何があればいい?
水道工事を行うには、「水道法」に定められていることを遵守しなければなりません。
私たちが暮らすうえで、水は非常に重要なものです。
水道法では、私たちの暮らしに欠かせない水を清潔で安全に供給するための、さまざまなことが決められています。
そのなかのひとつである「水道技術管理者」について解説します。
また、水道技術管理者以外についても、水道工事を行ううえで必要な資格や、取得しておいたほうが良い資格についても説明します。
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水道法で定められている水道技術管理者とは?
水道事業者は、水道技術管理者をひとり置かなければなりません。これは水道法の第19条で定められているもので、水道管理の技術上の業務を担当させるためです。
水道技術管理者は、事業者自らが水道技術管理者になっても問題はありません。
水道工事を行う者は、水道施設が基準を満たしているかどうかの検査や水質検査、そして施設などを行う義務があります。
その他にも、状況に応じた給水の停止や衛生上の措置なども行います。これらの作業に従事する職員を監督するために必要なのが、水道技術管理者です。
水道技術管理者は、事業者単位で置かなければなりません。これから水道工事として独立を考えるなら、必ず誰かひとりは水道技術管理者を置きましょう。
水道技術管理者の資格を取得する方法は?
水道技術管理者になるには資格を取得しなければなりません。資格は一定の講習を受講し、それが修了した者に与えられます。
受講内容は「学科講習」「実務研修」の2つで、日本水道協会など厚生労働省で指定している団体によって実施されています。
受講する者は勤務先の所属長から推薦を受けていなければなりません。そして、次のいずれかに該当していることが求められます。まず、高等学校を卒業した者、またはそれに相当する学力を有している者、そして中等学校卒業者、または同等以上の学歴である者です。また、海外で教育を受けた者は日本の高等学校と同等かそれ以上の学歴を有していることが条件になります。受講申し込みには、申込書の他に会社案内を提出する必要があります。これは、民間の会社に勤務している者が受講する場合は、必ず提出することになっています。
会社案内を作っていない会社は、水道技術管理者の受講申し込みをする前に用意しておきましょう。会社の経歴がわかるものであれば大丈夫です。
ただし、申し込みの際の記載内容に虚偽があれば、受講を取り消されることがあります。内容はしっかり確認しましょう。
水道技術管理者以外に持っていたほうが良い資格
水道工事を行うには、水道技術管理者以外にも持っていたほうが良い資格があります。そのひとつが「下水道排水設備工事責任技術者」です。
下水道排水設備工事責任技術者は、排水設備に関する専門技術や知識が必要な工事を行ううえで、必ずなければいけない資格といえます。
下水道排水設備工事責任技術者の有資格者がいれば、都道府県の指定工事業者として登録ができます。「給水装置工事主任技術者」も、水道工事を行ううえで必須といえる資格です。
給水装置工事主任技術者は国家資格で、持っていると都道府県に対して指定給水装置工事事業者として申請ができます。
厚生労働省は安全で衛生的な生活水の給排水のために、「指定給水装置工事事業者制度」を設けています。給水装置工事主任技術者は、厚生労働省が力を入れている資格のひとつです。
罰則もある?水道工事で多いトラブルとは?
水道工事に関するそれぞれの資格は、さまざまな水のトラブルや人体の健康を損なう危険につながる事故を防ぐために設けられています。
また、都道府県の指定工事業者として登録されていないと、工事でトラブルがあったときに罰則を受ける場合もあるので注意しましょう。
水道工事に多い主なトラブルには、「クロスコネクション」「基準不適合材料使用」などがあります。
クロスコネクションは、水道水の給水管とそれ以外の井戸水などを連結させてしまう行為です。基準不適合材料使用は、基準に沿った材料を使用していないもので、使い続けるとなんらかの不具合につながる恐れがあります。罰則につながるかどうかはケースによりますが、大切なのは安全な水の供給です。人体の健康に影響するトラブルを起こさないことが第一だといえます。
トラブルを防ぐためにも工事の準備は余裕を持って正確に
水道工事を行う事業者のなかには、無届けで工事を行い、思わぬ事故につながるケースもみられます。しかし、それは稀な例で、多くは水道技術管理者など必要な資格を取得し、健全な経営をする事業者がほとんどです。
ただし、資格や申請を行っても水道工事は毎回作業状況が変わります。工事を行う場所によってさまざまなのです。
思わぬトラブルを防ぐには、常に正確な図面を作成することを心がけましょう。
工事に合った正しい材料の拾い出しや、規定に沿った材料選びも正確にできることが望まれます。材料選びに毎回時間が取られるという場合には、作業をスピーディーに解決できる方法を検討してみましょう。簡単で正確な図面の作成と、基準に合った正しい材料選びがスムーズにできることは、安全な水道工事を行う条件ではないでしょうか。