- 2024年08月01日
これなら分かる!?電気配線図の基本的な書き方
実務などで現場の経験があったり、見よう見まねで工事に関わったことがあっても、改めて電気配線図を書くとなるとどうやって書けばいいのか困惑してしまうケースもあるでしょう。例えば用途がDIY(日曜大工)のようなもので、しかも小規模というのであれば、電気配線図をすべて手書きしても問題ないかも知れません。しかし業務として行う場合工事の規模も大きく、時に急な仕様の変更も起こることがあり、その度に手書きしていては作業も効率的とはいえません。そこでCADの操作を覚えることで日常業務の負担を軽減させましょう。
コンテンツ
電気配線図の役割を確認しよう!
今さらと思うかも知れませんが、電気配線図の役割をもう一度確認してみましょう。住宅やビル、工場などの電気工作物には、通常、平面図または施工図と呼ばれる図面があります。特に施工図には、その工作物に必要な設備や寸法が詳細に記載されています。電気配線図は、施工図に書き記されたそれぞれの設備が実際に使用できるように電気部品や電線などの工事内容をさらに見やすく書いたものです。
つまり電気配線図を書く目的は、その工作物にはどんな機能が必要で、それをどこに設置するのか工事担当者に分かりやすく説明する手引きのようなものです。住宅であれば、キッチンにはコンセントがいくつ装備され換気扇と照明器具がどこに必要で、さらに廊下には照明器機が何カ所あり設備を動かすスイッチがどこに配置されているのかなど具体的にイメージすることが大切です。
電気配線図を使う意味を理解しておけば、実際に書き起こすときにも覚えやすくなります。
全体像をつかみやすい単線図と実際の作業が詳しく分かる複線図
電気配線図は、一般的に単線図と呼ばれる方法で書かれます。しかし単線図だけでは、実際にどんな風に電線やケーブルをつなげば良いのかすぐには分かりません。そこで、必要に応じて、単線図を複線図に書き換えることも電気工事を行う上で欠かせない作業です。単線図の特徴は、一例を挙げれば、電源からスイッチ、さらに照明器具を一本の線で結び表します。配線を一本の線にすることで、電源からスイッチを経て、さらに照明器具へと工事内容が明快に伝わります。実際の施工図を使う場合には、より多くのスイッチや器具が複雑に配置されるので、シンプルに描くことで全体像をつかみやすいのが特徴です。
一方、複線図では、電源、スイッチ、照明器具を実際に配線する時のことを考えて描きます。例えば、一般住宅などで使用される100Vの単相2線式の配電では、電源に備わる接地側と非接地側を明確に区別し、スイッチを非接地側に、照明器具を接地側になるように結線することまで書き込みます。単線図に比べると複線図はそれだけ複雑になりますが、どこに何を結線すれば良いのか分かるので、工事現場で作業する時はとても便利なのです。
電気配線図を手書きしてみよう!
電気配線図を書く目的は、施工図によって示されたそれぞれの設備が使えるようにすることです。そこで、電源(場合によっては配電盤)と設備(スイッチや照明など)を実際の施工図に合わせて配置してみましょう。
電気配線図は、単線図と言われる一本線を用いた方法で書くので、電源からスイッチ、そして照明器具、または電源からコンセントとそれぞれを線で結びます。ここで実際の工事をイメージしてみましょう。単線図なら一本線を使えば良いだけと言っても、無計画にバラバラな線で書いてしまうと実際に工事を担当する電気工事士は作業に手間取ります。そこで、配電盤からいくつか役割に応じたエリアを割り振って基点を作ります。住宅でいえば、キッチンとリビングのエリア、玄関と和室、バスルームとトイレのエリアといった具合です。エリアに分類したら、最初に配電盤からそれぞれの基点まで送電を確保しましょう。
エリア別になったことで、基点まで送電された電源を必要に応じて分配していきます。例えば玄関から壁を隔てた和室、さらにバスルームとトイレとエリアに分けてもまだ広い場合には、ジョイントボックスをさらに基点として設置します。配置方法は1つではありませんが、玄関と和室、バスルームとトイレに2分して、それぞれをジョイントボックスに結び、そこから元の基点へと配線します。このように役割を整理する時にジョイントボックスを使うことで、実際の配線工事が効率的に行えます。
もう1つ、電気配線図を書く上で忘れてはいけない大切な役割があります。それが工事で使用する電線やケーブル、コンセントおよびスイッチの種類を記号図を使って表記することです。
工事に必要な電線や器具を専用の図記号を用いて記載することで、電気配線図はとてもシンプルで見やすくなります。
実際にCADを使ってみよう!
電気配線図を書く時にCADを使用するメリットは、手書きよりも簡単な作業で見やすく仕上がることです。見やすい電気配線図なら実際の現場でも重宝しますし、効率的でスムーズな工事が行えます。
早速、CADソフトを起動させてみましょう。まずは土台となる施工図を作ります。方法は使用しているソフトによっていくつかあります。もっともオーソドックスな方法はソフトに備わった描画機能で作成することです。例えばプラスバイプラスの「plusCAD電気α」の場合なら、施工図面をスキャンし作業画面に読み込むことで完了します。
次に受電した配電盤から各エリアに配電した基点を画面に表記しましょう。常に全体を考えるのではなく、いくつかの階層に置き換えることで、作用として必要な項目がシンプルで分かりやすくなるからです。
各エリアでは、施工図の内容に従い必要となる照明やコンセントなどを表示させます。その後、基点とそれぞれの設備までを線でつなぎます。実はこれらの作業も、手書きの時とほとんど同じ行程です。CADを使う上で大切なポイントは、どんな作業を行えば線の種類や図記号画面に表示させられるのか、必要なものから優先してマスターすることでしょう。
基本的な電気配線図の書き方をマスターすることで、あとはCADでの操作を覚えるだけとなります。初期設定のままでは使いにくい場合でも、好みにカスタマイズすることでCADはさらに使いやすくなるでしょう。
必要に応じて全体をいくつかのパーツに区切れば覚えることや考えることがシンプルになり、手作業だけではなくCADを使って電気配線図を書くことも順序立ててできるようになるのです。
電気配線図の基本的な書き方についてよくある質問
電気配線図の役割とは?
今さらと思うかも知れませんが、電気配線図の役割をもう一度確認してみましょう。住宅やビル、工場などの電気工作物には、通常、平面図または施工図と呼ばれる図面があります。特に施工図には、その工作物に必要な設備や寸法が詳細に記載されています。電気配線図は、施工図に書き記されたそれぞれの設備が実際に使用できるように電気部品や電線などの工事内容をさらに見やすく書いたものです。
つまり電気配線図を書く目的は、その工作物にはどんな機能が必要で、それをどこに設置するのか工事担当者に分かりやすく説明する手引きのようなものです。住宅であれば、キッチンにはコンセントがいくつ装備され換気扇と照明器具がどこに必要で、さらに廊下には照明器機が何カ所あり設備を動かすスイッチがどこに配置されているのかなど具体的にイメージすることが大切です。
電気配線図を使う意味を理解しておけば、実際に書き起こすときにも覚えやすくなります。
単線図と複線図の違いとは?
電気配線図は、一般的に単線図と呼ばれる方法で書かれます。しかし単線図だけでは、実際にどんな風に電線やケーブルをつなげば良いのかすぐには分かりません。そこで、必要に応じて、単線図を複線図に書き換えることも電気工事を行う上で欠かせない作業です。単線図の特徴は、一例を挙げれば、電源からスイッチ、さらに照明器具を一本の線で結び表します。配線を一本の線にすることで、電源からスイッチを経て、さらに照明器具へと工事内容が明快に伝わります。実際の施工図を使う場合には、より多くのスイッチや器具が複雑に配置されるので、シンプルに描くことで全体像をつかみやすいのが特徴です。
一方、複線図では、電源、スイッチ、照明器具を実際に配線する時のことを考えて描きます。例えば、一般住宅などで使用される100Vの単相2線式の配電では、電源に備わる接地側と非接地側を明確に区別し、スイッチを非接地側に、照明器具を接地側になるように結線することまで書き込みます。単線図に比べると複線図はそれだけ複雑になりますが、どこに何を結線すれば良いのか分かるので、工事現場で作業する時はとても便利なのです。
電気配線図を手書きする手順
電気配線図を書く目的は、施工図によって示されたそれぞれの設備が使えるようにすることです。そこで、電源(場合によっては配電盤)と設備(スイッチや照明など)を実際の施工図に合わせて配置してみましょう。
電気配線図は、単線図と言われる一本線を用いた方法で書くので、電源からスイッチ、そして照明器具、または電源からコンセントとそれぞれを線で結びます。ここで実際の工事をイメージしてみましょう。単線図なら一本線を使えば良いだけと言っても、無計画にバラバラな線で書いてしまうと実際に工事を担当する電気工事士は作業に手間取ります。そこで、配電盤からいくつか役割に応じたエリアを割り振って基点を作ります。住宅でいえば、キッチンとリビングのエリア、玄関と和室、バスルームとトイレのエリアといった具合です。エリアに分類したら、最初に配電盤からそれぞれの基点まで送電を確保しましょう。
エリア別になったことで、基点まで送電された電源を必要に応じて分配していきます。例えば玄関から壁を隔てた和室、さらにバスルームとトイレとエリアに分けてもまだ広い場合には、ジョイントボックスをさらに基点として設置します。配置方法は1つではありませんが、玄関と和室、バスルームとトイレに2分して、それぞれをジョイントボックスに結び、そこから元の基点へと配線します。このように役割を整理する時にジョイントボックスを使うことで、実際の配線工事が効率的に行えます。
もう1つ、電気配線図を書く上で忘れてはいけない大切な役割があります。それが工事で使用する電線やケーブル、コンセントおよびスイッチの種類を記号図を使って表記することです。
工事に必要な電線や器具を専用の図記号を用いて記載することで、電気配線図はとてもシンプルで見やすくなります。
電気配線図をCADで書く手順
電気配線図を書く時にCADを使用するメリットは、手書きよりも簡単な作業で見やすく仕上がることです。見やすい電気配線図なら実際の現場でも重宝しますし、効率的でスムーズな工事が行えます。
早速、CADソフトを起動させてみましょう。まずは土台となる施工図を作ります。方法は使用しているソフトによっていくつかあります。もっともオーソドックスな方法はソフトに備わった描画機能で作成することです。例えばプラスバイプラスの「plusCAD電気α」場合なら、施工図面をスキャンし作業画面に読み込むことで完了します。
次に受電した配電盤から各エリアに配電した基点を画面に表記しましょう。常に全体を考えるのではなく、いくつかの階層に置き換えることで、作用として必要な項目がシンプルで分かりやすくなるからです。
各エリアでは、施工図の内容に従い必要となる照明やコンセントなどを表示させます。その後、基点とそれぞれの設備までを線でつなぎます。実はこれらの作業も、手書きの時とほとんど同じ行程です。CADを使う上で大切なポイントは、どんな作業を行えば線の種類や図記号画面に表示させられるのか、必要なものから優先してマスターすることでしょう。
基本的な電気配線図の書き方をマスターすることで、あとはCADでの操作を覚えるだけとなります。初期設定のままでは使いにくい場合でも、好みにカスタマイズすることでCADはさらに使いやすくなるでしょう。
必要に応じて全体をいくつかのパーツに区切れば覚えることや考えることがシンプルになり、手作業だけではなくCADを使って電気配線図を書くことも順序立ててできるようになるのです。