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  • 2025年02月28日

【2025年度最新版】職人の職種別単価表&単価を上げる方法を解説

案件管理
【2025年度最新版】職人の職種別単価表&単価を上げる方法を解説

建設業界では、人手不足や資材価格の高騰などの影響を受けて、職人の工事単価は年々変動しています。2025年度も各職種の単価が見直される可能性があるため、仕事を受注する際には最新の単価目安を把握しておく必要があります。

 

この記事では、最新の職人単価表を職種別に紹介するとともに、工事単価に影響を与える要因や、受注単価を上げるための施策などを詳しく解説します。建設業界で働く職人や企業が、適正価格で仕事を受注するために、ぜひ参考にしてください。

【2025年度最新版】主要12職種の労務単価表

国土交通省では、公共工事の積算に用いる労務単価(公共工事設計労務単価)を公表しています。公共工事の発注に用いられる予定価格は、過去の取引価格や市況、労務費の変動などを考慮して決定されます。
そのため、公共事業に従事した労働者に対する賃金の支払い状況を、毎年定期的に調査しています。「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について」での主要12職種の労務単価は、以下の表の通りです。
職種 全国平均値 令和6年度比
特殊作業員 27,035円 +5.6%
普通作業員 22,938円 +5.3%
軽作業員 18,137円 +6.9%
とび工 29,748円 +4.8%
鉄筋工 30,071円 +5.9%
運転手(特殊) 28,092円 +5.0%
運転手(一般) 24,605円 +5.4%
型わく工 30,214円 +5.1%
大工 29,019円 +6.3%
左官 29,351円 +6.8%
交通誘導警備員A 17,931円 +5.7%
交通誘導警備員B 15,752円 +5.7%
※金額は加重平均値、伸び率は単純平均値で算出
 

主要12職種の主な業務内容を紹介します。
 
  • 特殊作業員:機械操作を伴う作業や手作業による舗装・建設作業、ダム工事での骨材製造など
  • 普通作業員:手作業による掘削や資材運搬、芝張り、除草など一般的な作業
  • 軽作業員:清掃や草むしり、現場内の小運搬、仮設物の設置・撤去、測量などの軽易な作業
  • とび工:足場などの高所作業や支保工の組立・解体、杭の打ち込みなど
  • 鉄筋工:鉄筋コンクリート工事での鉄筋の切断、曲げ加工、組立・結束など
  • 運転手(特殊):大型特殊車両や重機の操作、掘削・積込み・運搬、除雪作業など
  • 運転手(一般):貨物自動車や散水車、除雪車の運転・操作
  • 型わく工:木製型枠(メタルフォーム)の製作や組立、設置、解体など
  • 大工:住宅や建築物の建築工事や造作工事
  • 左官:土やモルタル、漆喰などを使った壁塗りや吹き付け仕上げ
  • 交通誘導警備員A:警備業法に基づく資格を保有、工事現場や道路での交通誘導業務
  • 交通誘導警備員B:資格が不要で、工事現場や道路などで交通誘導業務
 

 

労務単価は13年連続の上昇

前述の資料において、全職種の公共工事設計労務単価は24,852円で、13年連続の引き上げとなっています。また、主要12職種での平均は前年3月比で+5.6%と、こちらも上昇しています。
 

13年連続して価格が上がっている要因として、職人数が減少していることが挙げられます。少子高齢化による人手不足の深刻化により、一人親方や職人は仕事を選びやすい状況にあります。結果的に、発注側がより高い単価で優秀な職人を確保する傾向が強まっていると考えられます。
 

また、国が物価上昇に対応するため、積極的な賃上げを推進していることも背景にあります。近年は、公共工事の入札において、賃上げに取り組んでいる企業が加点される取り組みも始まっており、労務単価も上昇傾向にあります。
 

 

労務単価変動の今後の予測

建設業界の労務単価は、今後も引き続き上昇すると推測されています。主な要因としては、労働力不足の深刻化が挙げられます。少子高齢化が進むなかで、多くの企業や業種において若手職人の確保が難しくなっており、即戦力として活躍できるベテラン職人の需要が高まっています。
 

また、鉄筋やコンクリート、木材など建設資材の価格は高騰しており、労務単価の見直しが進んでいます。さらには、政府が積極的に賃上げを目指していることや、働き方改革による労働環境改善の必要性なども影響しています。
 

 

工事単価の変動要因

職人の工事単価は、さまざまな影響を受けて変動します。ここでは、工事単価が変動する代表的な要因について解説します。
 

資材価格の変動

資材価格の変動は、工事単価にも大きな影響を与えます。鉄鋼やコンクリート、木材といった主要な資材の価格が上昇すると、それに比例するように工事単価もアップする傾向があります。
 

具体的な資材の価格動向としては、100%輸入に頼っていた鉄鉱石が、コロナ禍を経て50%近く高騰した「アイアンショック」や、アメリカでの住宅需要の増加などによって木材の輸入物価が倍以上になった「ウッドショック」などが挙げられます。
 

加えて、燃料価格の高騰や歴史的な円安も相まって、輸送コストや輸入資材の上昇が一気に進みました。特に、地方や離島での案件には大きな影響が出ています。
 

人件費の上昇

建設業界では、人手不足や技術者の需要増、賃金の引き上げといった要因により、人件費が上昇傾向にあります。熟練した技術を持つ職人の市場価値が高まる中で、若手の確保は困難になっており、限られた労働力を確保するために労務単価が引き上げられています。
 

また、働き方改革関連法の適用に伴い、建設業界でも時間外労働の制限導入が進められています。工期遅延の防止に向けて人材を追加する必要があり、人件費の上昇は避けられない状況です。
 

建設需要の増減

工事単価は、建設需要の増減によっても変わります。国や自治体が発注する公共工事が増えれば、業界全体における需要の増加に伴い、単価が上がる可能性があります。反対に、公共投資が縮小した場合は、入札などにおける競争が激化し、単価が下がりやすくなります。
 

民間工事では、都市部の再開発や商業施設、マンションの建設増加などによって工事単価は上昇します。また、道路や橋梁、上下水道などのインフラ整備が進むと、専門技術が求められる職種や有資格者の労務単価が上昇する場合があります。
 

法改正や規制強化

建設業界は、法改正や規制の影響を大きく受けるため、新しいルールの導入によってコストが増加することが考えられます。働き方改革に伴い、工期や施工スケジュールの調整を行った結果、追加の人材を確保するために人件費が増加する可能性があります。
 

また、耐震基準や省エネ基準の厳格化など、法改正に対応するために新たな設備や技術が必要になると、より多くのコストがかかるでしょう。世界的な環境配慮の必要性が高まっている中で、省エネ建材の使用義務化や排出ガス規制のある重機の導入などで、費用増大につながることも考えられます。
 

自然環境や災害の影響

自然災害や災害も、工事単価に影響する要因です。例えば、豪雨や猛暑、寒波といった異常気象により現場スケジュールの遅延や作業効率の低下が起これば、工期が延びてコストが増える可能性があります。
 

また、地震や台風、洪水などの災害が発生した場合、復旧工事の需要が上昇し、工事単価が上がりやすいでしょう。
 

職種による違い

建設業界では、職種ごとに工事単価の相場が異なります。専門性が高い職種ほど、工事単価が高くなる傾向にあります。
 

具体的には、鉄筋工やとび工、配管工、電気工事士といった特別な技術や資格が求められる職種は、単価は高めに設定されます。また、左官工や塗装工、型わく工など一定の技術が必要な職種は単価も高めです。
 

地域ごとの価格差

都市部と地方では、工事単価は変わります。また、地域によっては同じ職種でも工事単価が異なります。例えば、東京・大阪・福岡といった都市部では、建設需要が高いため単価も高額な傾向があります。
 

一方で、地方は公共工事の比率が高いため、需要のある職種では工事単価は上がりますが、小規模工事の需要は少ないため、単価は低くなりがちです。
 

経験やスキルの違い

経験やスキルの習熟度も、職人の日当を決める重要な要素です。未経験や駆け出しの職人は、現場のルールや作業の手順を覚える段階にあり、仕事は簡単な作業が中心のため、単価は低い傾向があります。
 

3年〜7年ほどの経験を持つ中堅レベルになり、現場を任されることが増えれば単価が上昇します。また、職種によっては資格を取得することで、より専門的な仕事を受けられるようになり受注額が上がる可能性もあります。
 

10年以上のベテラン職人は、専門技術が求められる現場で高単価で活躍できる傾向があります。また、後輩の指導や現場での管理業務まで一貫して高単価で任されるケースも見られます。
 

 

職人の工事単価を上げる方法

一人親方などの職人として収入をアップさせるためには、労務単価を上げる必要があります。ここからは、職人が工事単価を上げるためにやるべき対策を紹介していきます。
 

資格を取得する

国家資格や専門性の高い資格を取得することで、スキルや知識を効果的にアピールでき、単価アップにつながります。また、電気主任技術者のように有資格者しか担当できない工事も受注できるため、仕事の幅が広がります。
 

クライアントに提供できる価値が上がるほど、工事単価が上昇しやすいため、希少性のある資格の取得を目指しましょう。例えば、大工なら建築施工管理技士、配管工なら管工事施工管理技士などがあります。ただし、資格を取得するだけで単価が自動的に上がるわけではなく、資格を活かす行動が必要です。
 

人とのつながりを大切にする

一人親方などの職人が高単価の仕事を獲得するためには、人脈が不可欠です。以前勤めていた会社や、過去に受注した取引先などの人とのつながりを活かすことで、安定した受注が期待できます。また、現場の休憩時間などに交流を図れば、他の業者から仕事を紹介される可能性も高まります。
 

加えて、元請会社と良好な関係を築くことで、案件を優先的に回してもらえる、単価交渉がしやすくなる、といったメリットもあります。
 

依頼された仕事には誠実に対応し、期待以上の結果を出すことで、信頼関係を築いておけば、繁忙期が過ぎても安定的に仕事をもらえるでしょう。仕事を選べる立場になれば、高単価な案件を獲得しやすくなります。
 

日当が高い仕事の多い職種や地域で受注する

職人が工事単価を上げるために、高単価な職種や需要のある地域での仕事を選ぶことも大切です。具体的には、大工やとび工、電気工事士など、技術力が求められる職種は単価も高めです。
 

また、地方の一人親方でも、比較的近くの都市部なら営業や移動がしやすいでしょう。工事需要の多い地域で営業をかけることで、高単価の案件を受注できる可能性があります。
 

加えて、1つの職種にこだわらず、関連する領域の技術や知識を習得し、マルチに対応できるようになれば単価アップにつながります。
 

マッチングサイトやSNSを上手に活用する

マッチングサイトやSNSを活用することで、受注が安定して単価アップにつながる可能性があります。最近では、依頼主と職人をつなぐマッチングサイトを利用する人が増えており、さまざまな現場での仕事を獲得できる環境が整備されています。
 

登録された仕事に提案し、受注を重ねて評価を上げることで単価の向上が期待できるでしょう。また、ホームページで実績や施工例をアピールする方法や、SNS上でハッシュタグを使って仕事を募集する方法により、直接依頼が増える可能性があります。
 

 

まとめ

国が公開している職人の単価表を見ると、労務単価は年々上昇していることがわかります。この背景には、資材価格の高騰や円安の進行、工事需要の増加、そして少子高齢化に伴う職人数の減少による需要アップなどの要因があります。
 

また、職種や地域、実務経験なども職人の工事単価に影響を与えており、個人や案件によって単価は大きく変わりやすいので、利益を取りこぼさないように注意しておく必要があります。
 

 

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職人の単価についてよくある質問


2025年度の職人の労務単価と今後の変動予測は?


国土交通省の「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について」によれば、全職種の労務単価は24,852円で、13年連続で上昇しています。また、主要12職種の平均単価は23,237円で、2024年3月比で+5.6%とこちらも上がっています。

 

職種にもよりますが、2025年度も引き続き単価は上昇すると見込まれています。理由としては資材の高騰や職人人口の減少、建設工事需要の増加といった要因が考えられます。

 

建設業界の職人が工事単価を上げるためにやるべきことは?


職人が工事単価を上げるためには、以下のような方法があります。

  • 経験と実績を積む

  • 国家資格や専門性の高い専門資格を取得する

  • 人脈・ネットワークを活かす

  • 営業戦略を立てる


 

業務に通ずる高度なスキルや知識を身につけ、現場作業の経験と実績を積むことで、職人としての評価が高まるため、単価アップにつながります。また、国家資格や専門性の高い資格を取得することで、市場価値が上がり、単価の高い仕事を獲得できる可能性が高まります。

 

建設業界では、人の紹介で案件が決まるケースも多いため、積極的に人間関係を築くことが大切です。また、一度受けた仕事は丁寧に対応し、気持ちの良いコミュニケーションを心がけましょう。

 

売上アップを目指すなら、営業戦略も重要です。営業代行サービスを活用すれば、単価向上のアドバイスを得られる可能性があります。

 

職人の工事単価が変動する主な要因は?


工事単価が変動する要因として、以下が挙げられます。

  • 資材価格の変動

  • 人件費の上昇

  • 建設需要の増減

  • 法改正や規制強化

  • 自然環境や災害の影響

  • 職種による違い

  • 地域ごとの価格差

  • 経験による単価の違い


 

世界情勢や経済状況、気候変動などの外的要因は、工事単価に影響を及ぼしています。また、職種や地域、経験やスキルといった個人レベルの違いも単価を大きく左右します。単価を上げるために、できる対策を講じることが重要です。

 

職人が工事単価を上げる際の注意点は?


職人が工事単価を上げる際には、以下の点に気をつけましょう。

  • 常用契約を締結しない

  • 税金が増えることを忘れない

  • 万が一に備えて保険に加入しておく


 

常用契約とは、1人の作業員が1日働く労働量を「1人工」として計算し、材料や運搬費などは発注元が負担する形態のことです。建設業では、一人親方が常用契約を締結することは法律で禁止されています。万が一派遣モデルで契約してしまった場合、罰則が課される可能性があるため注意が必要です。

 

また、単価がアップし、収入が増えると税率も比例して上がり、納税額が増える可能性があります。加えて、病気や怪我で急に働けなくなった場合を想定して、必要な保険に加入しておくことを推奨します。

 

職人業務で発生する主なコストは?


職人として仕事を受ける場合、さまざまな経費がかかります。代表的な費用は以下の通りです。

  • 通信費(携帯料金など)

  • 交通費(現場への移動費、営業活動時など)

  • 工具や資材、設備などの費用

  • 社会保険・労災保険・民間保険の費用

  • 顧問税理士費用


 

手取りを確保するためには、単価アップに取り組むとともに、財務管理をしっかり行うことが重要です。

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