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  • 2024年08月30日

登録電気工事業者として一人親方になるための書類や実務経験・メリットやデメリットを解説

電気工事に関する知識
登録電気工事業者として一人親方になるための書類や実務経験・メリットやデメリットを解説

電気工事業に従事する人のなかには、一人親方としての開業を考えている人もいるのではないでしょうか。一人親方として独立するためには、登録電気工事業者の登録などの手続きが必要です。

 

本記事では、登録電気工事業者の種類やメリット・デメリット、一人親方になるために必要な手続きなどについて詳しく解説します。登録電気工事業の登録を行い、電気工事業者として活動するためにぜひお役立てください。

 

電気工事業の一人親方になることは可能?

電気工事業の一人親方として独立することは可能です。一人親方とは、一般的に社員を雇わずに自分1人、もしくは家族だけで電気工事業を営む個人事業主を指します。
 

電気工事士が扱う電気工作物には、大きく「一般用電気工作物」と「自家用電気工作物」の2種類があり、どちらを行うかによって必要な登録が変わります。登録をしないまま電気工事を行うと、罰則を受ける可能性があるため注意が必要です。
 

なお、電気工事業者として活動するうえで、建設業許可は必須ではありません。ただ、取得することで受注できる請負金額が上がり、仕事の幅が広がる可能性があります。
 

 

電気工事業の一人親方になるメリット

電気工事業で一人親方になると、収入面や働き方、人間関係などにおいてメリットが期待できます。主なメリットについて詳しく解説します。
 

単価アップや年収アップを狙える

一人親方として独立する最大のメリットとして、受注金額や収入がアップする可能性が挙げられます。固定給の会社員と違って、働いた分はすべて自分の収入となるため、仕事量が増えれば収入はアップします。
 

また、一人親方になると、契約や商談もすべて自分で行うため、単価交渉によって金額を引き上げることも可能です。日頃からスキルを磨き、高度な資格を取得するなどの工夫により、同じ労働時間で会社員よりも高い収入を目指せます。
 

仕事を選べる

一人親方になると、自分の仕事を選べます。会社員の場合は、上司や周囲の都合で仕事が決まるため、仕事の負荷を調整することは難しいでしょう。しかし、個人事業主は、自分の裁量で仕事を受けるかどうか判断し、無理のない範囲で働けるよう仕事量をコントロールできます。
 

苦手とする仕事や好ましくない現場を避け、得意な仕事を受けることができれば、自分の強みや特性を伸ばすことにつながります。長期的に見て、一人親方として活動するうえで有利に働くでしょう。
 

自由な働き方ができる

一人親方は、基本的には勤務時間や休日を自由に決められます。あらかじめ勤務時間が決められている会社員と異なり、電気工事業者の一人親方として独立することで、自由な働き方が可能です。
 

場合によっては、1ヶ月以上にわたって仕事を入れず、家族と過ごすといった選択もできるでしょう。理想のライフスタイルを目指したい場合にも、一人親方が向いています。
 

人間関係のストレスが減る

基本的に個人で仕事をするため、上司や部下との人間関係のストレスが軽減する可能性があります。会社員の場合は、仕事で関わる人を選ぶことはできません。また、上司の指示は絶対的であり、やり方や考え方に同意できなくても従わなければならず、精神的な負担が増えることもあるでしょう。
 

また、部下との接し方などにも気を遣う必要があるなど、業務内容以外にも懸念材料が増えてしまいます。パワハラのような扱いを受けることがあれば、仕事や職場が良好でも苦痛を伴うでしょう。
 

一方、一人親方の場合は一時的にアルバイトなどを雇うことがあっても、ほとんど自分だけで作業を行います。合わない人と過ごす時間を減らして、気楽に仕事ができるでしょう。
 

従業員を雇う必要がない

一人親方は従業員を雇う必要がありません。独立開業後に従業員を雇用する場合、勤怠管理や教育、指導が必要です。また、人件費や業務で使用する設備機器の料金など固定費が増えます。
 

その点、一人親方だとコストを抑えやすく、財政面の負担も比較的少なくて済みます。また、自分の業務や勤務スケジュール以外の管理作業も発生しないため、本来の業務に集中できます。
 

 

電気工事業の一人親方になるデメリット

電気工事業での一人親方は、メリットが多いですが、業務負担や怪我・病気のリスクといったデメリットもあります。主なデメリットについて詳しく説明します。
 

収入が安定しない

電気工事業者の一人親方になると、自分で仕事を確保しなければなりません。会社員として働く場合、仕事内容や人間関係に縛りがあるものの、仕事をすれば固定給を必ず受け取ることができます。
 

一方、一人親方は仕事量に応じて収入が変わり、仕事がなければ収入は得られないため不安定です。特に繁忙期と閑散期の差が激しい場合、働きたくても仕事を受注できない状況に陥るかもしれません。
 

加えて、一人親方は会社員のような有給や福利厚生は付いておらず、怪我や病気で働けなくなれば収入は途切れてしまいます。電気工事業は需要のある市場だと言われるものの、突然仕事がなくなる可能性は存在します。貯金などで備えておくとともに、日頃から営業に注力することが大切です。
 

確定申告や財務処理を自分で行う必要がある

一人親方として電気工事業を請け負うと、確定申告や日々の財務管理も自分で行う必要があります。会社員は、社会保険料や税金は会社に任せることができますが、一人親方は自分で手続きをしなければなりません。
 

事業所得や経費、控除などを正しく把握し、必要書類を作成して期限内に確定申告を行う作業は、慣れていないと大変です。事務作業が負担となって本業に支障をきたしてしまえば、収益が減る可能性もあるでしょう。
 

確定申告ソフトなどを活用して、事務作業の負荷を減らす工夫が必要です。また、費用を支払って税理士に一任するという選択肢もあります。
 

大手との直接取引や大規模な案件を受注しにくい

一人親方は個人事業主であるため、大手企業との直接取引や規模の大きな案件の受注が難しい傾向があります。大手企業からの受注は一般的には企業が間に入るため、下請けとして仕事に関わってもマージンを引かれて報酬が下がる可能性があります。
 

とはいえ、スキルや専門知識を持つプロとして実績を積み、人脈を広げておくことで受注できる仕事の幅は広がります。大手の案件受注が不可能というわけではないため、日々の業務や情報収集を安定的に続けることが大切です。
 

 

電気工事業者の一人親方としての4種類の登録方法

一人親方として電気工事業を営むためには、電気工事業の登録が必須です。「電気工事業登録」とは、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に沿った登録や通知書のことです。
 

登録方法は以下の4つがあり、それぞれで受注できる工事内容や建設業許可の有無が異なります。
  • 登録電気工事業者:一般用電気工作物の電気工事も行う、建設業の許可なし
  • みなし登録電気工事業者:一般用電気工作物の電気工事も行う、建設業の許可あり
  • 通知電気工事業者:自家用電気工作物のみ行う、建設業の許可なし
  • みなし通知電気工事業者:自家用電気工作物のみ行う、建設業の許可あり
 

各登録方法について解説します。
 

登録電気工事業者

登録電気工事業者は、一般用電気工作物と自家用電気工作物の両方の電気工事、または一般用電気工作物のみの電気工事を行える事業者のことです。建設業の許可は必要ありません。
 

登録電気工事業者の手続きでは、下記2つの要件を満たす必要があります。
 
  • 主任電気工事士の設置
  • 必要な器具の保有
 

主任電気工事士は、下記の条件をクリアすることで取得できる資格です。
 
  • 第一種電気工事士の免状を交付された人
  • 第二種電気工事士の資格を取得し、3年以上の実務経験がある人
 

必要な器具には、下記7つが指定されており、すべてが必要です。
 
  • 絶縁抵抗計
  • 接地抵抗計
  • 抵抗及び交流電圧を測定できる回路計
  • 低圧検電器
  • 高圧検電器
  • 継電器試験装置*
  • 絶縁耐力試験装置*
*レンタルなどの借用でも問題なし
 

一般用電気工作物のみの工事の場合は、上位3つの器具のみの保有で問題ありません。なお、登録電気工事業者は5年ごとに更新登録が必要です。
 

みなし登録電気工事業者

みなし登録電気工事事業者は、建設業許可を取得しており、一般用電気工作物の電気工事のみ、または一般用電気工作物と自家用電気工作物の双方の電気工事を扱う事業者のことです。登録電気工事業者と同じ工事を扱えますが、登録電気工事業者の要件に加えて「建設業の許可」が必要です。
 

つまり、みなし登録電気工事事業者の登録には下記2つの条件を満たす必要があります。
 
  • 主任電気工事士の在籍
  • 建設業許可の専任技術者の設置
  • 必要な器具の所有
 

主任電気工事士の在籍については、登録電気工事業者の登録要件と同じです。一人親方は自分を主任電気工事士として申請しましょう。
 

建設業許可の専任技術者は、営業所に常勤することが定められています。ただ、一人親方の場合は例外として、以下の要件を満たせば工事現場での作業が認められています。
 
  • 請負金額が2,500万円未満
  • 専任技術者の所属する営業所で契約した工事
  • 近隣の現場
  • 営業所と常に連絡が取れる状態
 

みなし登録電気工事業者に必要な器具は、登録電気工事業者と同じです。なお、みなし登録工事業者では、5年更新は必要ありません。
 

通知電気工事業者

通知電気工事業者は、自家用電気工作物の電気工事のみを扱う業者です。主任電気工事士の設置や建設業の許可は不要ですが、以下の要件を満たす必要があります。
 
  • 電気工事士の資格保有者の設置
  • 必要な器具の保有
 

また、自家用電気工作物の工事のため、以下7つすべての器具が必要です。
 
  • 絶縁抵抗計
  • 接地抵抗計
  • 抵抗及び交流電圧を測定できる回路計
  • 低圧検電器
  • 高圧検電器
  • 継電器試験装置*
  • 絶縁耐力試験装置*
*レンタルなどの借用でも問題なし
 

みなし通知電気工事業者

みなし通知電気工事士の手続きにより、通知電気工事業者と同様に、自家用電気工作物の電気工事のみを扱うことが可能です。ただし、通知電気工事業者の要件に加えて、建設業の許可が必要になります。
 
  • 電気工事士の資格保有者の在籍
  • 建設業の許可
  • 必要な器具の保有
 

建設業の許可の取得には、「管理責任者」と「専任技術者」を兼任する必要があります。また、必要な器具は、通知電気工事業者と同じ7つです。
 

 

登録電気工事業者として一人親方になるための必要な手続き・書類

登録電気工事業者の4つの手続きは、いずれも営業所の数や場所により申請先が異なります。それぞれの提出先は、以下の通りです。
 
  • 1つの都道府県内に営業所がある場合:都道府県知事宛
  • 2つ以上の都道府県に営業所があり、1つの産業保安監督部内の場合:産業保安監督部長宛
  • 2つ以上の都道府県に営業所があり、2つ以上の産業保安監督部の場合:経済産業省宛
 

一人親方の場合、自分1人で活動するケースが多いため、都道府県知事に登録電気工事業者の登録書類を提出します。
 

各登録方法で必要な書類は以下の通りです。
 

【登録電気工事業者】
  • 登録電気工事業者申請書
  • 誓約書(申請者本人のもの)
  • 電気工事士免状コピー
  • 実務経験証明(第2種電気工事士のみ)
  • 誓約書(主任電気工事士に関するもの)*
  • 主任電気工事士の従業員証明書(雇用証明書)*
  • 主任電気工事士等の実務経験を証する書面(主任電気工事士等実務経験証明書もしくは主任電気工事士の電気工事士免状の写し)
  • 備付器具明細書
  • 登録免許税納付の領収証書(納付書の3枚目)
 

*申請者自身が電気工事士で、主任電気工事士に代わって営業所で業務を行う場合は不要
 

【みなし登録電気工事業者】
  • 電気工事業開始届出書
  • 誓約書(主任電気工事士に関するもの)*
  • 主任電気工事士の従業員証明書*
  • 主任電気工事士等の実務経験を証する書面(第一種電気工事士免状(写し)または電気工事士であることの証明書、主任電気工事士等実務経験証明書)
  • 備付器具明細書
  • 建設業許可通知書(写し)
 

*申請者自身が電気工事士で、主任電気工事士に代わって営業所で業務を行う場合は不要
 

【通知電気工事業者】
  • 電気工事業開始通知書
  • 誓約書(通知者自身のもの)
  • 備付器具明細書
  • 住民票抄本(個人)
 

【みなし通知電気工事業者】
  • 電気工事業開始通知書
  • 誓約書
  • 備付器具明細書
  • 住民票抄本(個人)
  • 建設業許可通知書(写し)
 

 

登録電気工事業者として一人親方になるうえで押さえておくべきポイント

一人親方でも電気工事業登録は可能ですが、手続きや業務に関して注意点があります。ここでは、登録電気工事業者の一人親方として活動するうえでのポイントについて解説します。
 

登録電気工事業者の登録で拒否されることがある

一人親方として登録電気工事業者の登録を行う際に、拒否される場合があるため注意が必要です。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。
 
  • 虚偽申告
  • 電気工事業法、電気工事士法及び電気用品安全法の違反履歴
  • 電気工事業の停止期間中
  • 営業所ごとの主任電気工事士の設置義務に未対応
 

登録電気工事業者の登録がないと、一人親方として電気工事を受注することができません。上記の拒否事由を確認し、適切に申請を行いましょう。
 

仕事を安定的に得る工夫をする

一人親方として活動を続けるためには、仕事を安定的に獲得する必要があります。案件受注のために、以下のような工夫や努力を取り入れましょう。
 
  • 積極的に営業を行う
  • 人脈ネットワークを構築する
  • スキルアップや資格取得を図る
  • 個々の仕事を丁寧に行う
  • 工務店や電気工事会社などと業務提携する
 

企業や同業者と関係性を構築し、複数の受注候補を確保しておけば、仕事がなくなるリスクを回避できるでしょう。
 

経費管理や資金繰りに注意する

経費や財務の管理を日頃から徹底し、資金繰りを安定させておくことが重要です。独立後は、設備機器や備品の購入、現場への移動費など出費が増えます。
 

赤字になるリスクだけでなく、資金が足りなくて仕事を受注できない、本来の業務に集中できない、といった事態を避けるためにも、できるだけコストを抑えられるよう意識しましょう。
 

また、経費の領収証は必ず保管しておきます。帳簿ソフトを導入して、1週間、1ヶ月などまとめて帳簿付けをしておけば、確定申告の際に時間を取られずに仕事を続けられます。
 

 

電気工事登録をせずに電気工事業を始めると罰則があるため注意

一人親方として電気工事業を行うためには、登録電気工事業者の登録は必須です。万が一登録をせず、電気工事業者として仕事をした場合、1年以下の懲役または10万円以下の罰金を課される可能性があります。
 

電気工事業者として一人親方になる場合は、業務内容に合わせた登録を完了してから活動をスタートしましょう。また、登録電気工事業者の有効期限は5年間です。更新には、登録電気工事業者更新登録申請書などの書類の提出が求められます。
 

 

まとめ

登録電気工事業者として一人親方になることで、受注案件や働き方の自由度が高まるうえ、単価アップや年収アップが期待できます。ただ、収入が不安定になり、現場業務以外の事務作業や財務管理の手間が増えるといったデメリットも考えられます。
 

また、登録電気工事業者の登録を行わずに仕事をすると、罰則を課される可能性があるため注意が必要です。登録電気工事業者の4つの種類から適切なものを選び、正しく申請しましょう。
 

一人親方の業務効率化には、現場業務に必要な機能を備えた専用ソフトの導入も役立ちます。【要 ~KANAME~】は、工事台帳をベースとする原価管理ソフトです。リアルタイムで工事の収支を確認でき、電気工事業者の一人親方の財務管理をサポートします。4つの無償サポートによりスムーズな導入が可能ですので、まずは下記より詳細をご覧ください。
 

 

登録電気工事業者の一人親方についてよくある質問


 

登録電気工事業者の登録更新の手続きは?


登録電気工事業者は、5年に一度の更新が必要です。5年が経過する30日前までに更新手続きを行いましょう。更新費用は、申請先が経済産業大臣か、都道府県知事かで変わります。

 

登録電気工事業者の一人親方に必要な電気工事登録の拒否事由は?


登録電気工事業者の登録を申請しても、以下の拒否事由により登録できない場合があるため注意が必要です。

 

  • 申告内容に虚偽がある

  • 過去2年以内に電気工事法に違反し、罰金以上の刑罰を受けた

  • 過去2年以内に電気工事業の登録を取り消された

  • 電気工事業の登録取り消しから2年経過していない

  • 電気工事業の停止期間中である

  • 営業所ごとに主任電気工事士を設置していない


 

登録電気工事業者として一人親方になる際に労災保険は必要?


一人親方になると、労災事故で怪我を負った場合、仕事ができなくなって収入が途切れる可能性があります。労災保険は、原則として個人事業主は加入できませんが、特別加入制度を利用して加入できる場合があります。

 

登録電気工事業者の一人親方と法人どちらで始めるべき?


登録電気工事業者として独立する際には、個人事業主である一人親方と法人どちらにするか迷う人もいるでしょう。一人親方と法人いずれでも、電気工事を受注するためには登録電気工事業者の登録が必要です。

 

法人の場合、社会的な信用度が高く、案件受注がしやすい傾向があります。また、利用できる助成金や補助金の種類も個人に比べて多めです。ただし、設立費用が20万円前後かかるうえ、赤字の年でも法人住民税を支払う必要があります。

 

一方、一人親方なら法人設立費用や法人住民税はかかりません。コンスタントに仕事を受注できれば、安定した経営が可能になります。

 

登録電気工事業者として独立する際の書類の提出先は?


登録電気工事業者の登録申請に必要な書類は、営業所の設置場所や数によって提出先が変わります。

 

  • 1つの都道府県のみに営業所を設置している場合:都道府県知事に提出

  • 2つ以上の都道府県に営業所を設置、1つの産業保安監督部内:産業保安監督部長に提出

  • 2つ以上の都道府県に営業所を設置、2つ以上の産業保安監督部:経済産業大臣に提出


 

 

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