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  • 2024年08月01日

水道屋や設備屋が注意すべき職業病とその対策とは?クセや労働災害との違いも解説

水道工事に関する知識
水道屋や設備屋が注意すべき職業病とその対策とは?クセや労働災害との違いも解説

職業病という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。建設業界に留まらず、多くの分野で特定の職種や業務環境ならではの職業病が発生しています。しかし、発症したタイミングや要因によっては労働災害に該当し、本格的な治療が必要になるため、正しく理解する必要があります。

 

本記事では、職業病の概要から労働災害との違い、水道屋や設備屋における代表的な職業病や取るべき対策について解説します。職業病について正しい知識を持ち、健全かつ快適に働ける職場環境を整備するためにぜひお役立てください。

職業病とは?

職病病とは、仕事が原因で発生する病気や障害のことです。医学的には「職業性疾病」、労働基準法では「業務上疾病」と呼ばれ、特定の職種や業務内容に携わることで発症しやすくなる疾患や状態を指します。そのため、労災保険が適用され、医療費や休業補償の対象となります。
 

例えば、塗装作業に用いる化学物質が原因となって、がんを発症するケースなどです。過去に大きく取り上げられてきたアスベストを吸い込むことで起こる疾患も職業病に該当します。
 

なお、職業病の具体的な内容については、労働基準法およびその施行規則に基づき、定められています。また、労働基準法第75条では労働者が職業病にかかった場合、事業者は「必要な療養を行い、または必要な療養の費用を負担しなければならない」と決められています。
 

職業病とクセの違い

一般的には、職業病というと仕事の習慣によって日常生活でついやってしまうクセのようなイメージで使われることもあるでしょう。例えば、建築業界で長く働いている人は、知人の家を訪れた際に建具や外構の仕様に目がいったり、DIY用の工具をチェックしてしまったりするかもしれません。
 

他の人が気にならないような部分に気がついてしまう、思わず業界用語を口にしてしまう、といったものもクセに該当します。
 

前述の業務上疾病としての職業病との違いは、医療機関で本格的な治療が必要かどうかです。職業上のクセであれば、習慣として許容される程度であり、苦痛が伴うようなことはほとんどないでしょう。
 

一方、業務上疾病としての職業病は明確な病気や障害として医療機関で認められ、治療や処置が必要な症状を指します。
 

職業病と労働災害の違い

職業病は仕事に起因する病気や障害を指し、場合によっては労働災害として見なされますが、両者は厳密には異なるものです。主な違いは、発症の原因やタイミングにあります。
 

職業病が長時間に渡る作業を繰り返し行うことで、少しずつ発症していくのに対し、労働災害は突発性の事故が原因で発生するものを指します。そのため、発症のタイミングや状況などによっては、職業病でも労災認定されないケースがあります。
 

また、病気や症状が継続的な業務に関連しているかどうかも重要です。結果的に厚生労働省の職業病リストに該当すると判断された場合、労災保険から治療費などの必要な給付を受けられます。
 

代表的な職業病の例

ここでは代表的な職業病の例を紹介します。まず、厚生省の職業病リストでは、以下8種類に大別されています。
  • 業務上の負傷に起因する疾病
  • 物理的因子による病気
  • 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する病気
  • 化学物質が原因の病気
  • 粉じんを吸い込むことが原因による病気
  • 細菌やウイルスが原因の病気
  • がん原性物質による病気
  • 長時間労働による病気
参考:職業病リスト|厚生労働省
 

また、厚生労働省が公開している「職業病一覧比較表」でも、労災に該当するかどうかを判断するための基準を参照できます。
 

腰痛

腰痛は、職業病で最も多い症状の1つです。重いものを頻繁に取り扱う仕事や長時間のデスクワーク、車の運転が多い仕事は、腰痛を引き起こしやすい傾向があります。職種例としては、介護職や看護職、事務職などが挙げられます。
 

腰痛は慢性化しやすく、完治しにくい症状でもあるため、予防策を講じつつ発症しないように意識することが重要です。
 

熱中症

屋外の工事現場で多い職業病に、熱中症などの異常温度条件による疾病があります。水道工事や屋外の設備工事などで働く人は、熱中症の予防策となる冷房や日陰を使うことが難しいため、意識的に注意することが大切です。
 

代表的な熱中症の症状は、軽度のめまいや立ちくらみですが、重度になると意識の喪失やひきつけ、脳障害といった可能性が出てきます。最悪の場合死に至ることもあるため、小まめな水分補給や十分な睡眠・休養といった対策を行いましょう。また、事業者側は、必要に応じて労働環境の整備や改善に取り組む必要があります。
 

高山病

気圧の低い場所における業務では、高山病を発症する可能性があります。高所など気圧が低く、空気の薄い場所で長時間作業すると、体が環境の変化に順応しきれず、特徴的な症状を引き起こします。
 

高山病は、症状の程度によってや迷い、高所肺水腫、高所脳浮腫の3つに分けられます。主な職業は、航空機の乗務や気象観測に関する仕事などです。
 

腱鞘炎

腱鞘炎を含む関節症も、腰痛と並んで多く見られる職業病です。長時間のパソコン作業により腱鞘炎を発症した人のなかには、同じ作業を行う他の人より仕事量が多かったために、過剰業務による労働災害として認定されたケースもあります。
 

水道屋や設備屋が注意すべき職業病とその対策

水道屋や設備屋が、業務によって発症する可能性のある職業病もあります。ここでは、水道屋や設備屋が特に注意したい病気や障害と、その対策について解説します。
 

水道屋や設備屋が注意したい職業病例

水道屋や設備屋で多く見られる職業病を3つ紹介します。
 

じん肺

じん肺とは、粉じんによる呼吸器の病気です。建設現場は、コンクリートのはつり作業や資材の研磨・切断などにより微細な粉じんが舞いやすいため、日常的に粉じんを吸い込んでしまう可能性があります。
 

人間の体には、異常物質を排出する機能が備わっていますが、機能が追いつかないと体内に物質が蓄積されていきます。長期間にわたって粉じんが体内組織を破壊し、結果的にじん肺を発症してしまうのです。
 

じん肺の主な症状は、息苦しさやせき、たんなどです。重症化すると呼吸苦が続くため、仕事だけでなく日常生活にも困難が生じる可能性があります。
 

アスベスト疾患

アスベスト(石綿)疾患とは、粉じんの一種であるアスベストに起因する病気や疾患のことです。アスベストを吸い込むことで、石綿肺や肺がん、悪性中皮腫などを発症するリスクがあります。
 

輸入アスベストの危険性が指摘され、社会問題化している現在、症状を抱える人は増加していると言われます。
 

振動障害

振動障害とは、振動が生じる機械や工具などを長時間使うことで、手や腕に生じる障害のことです。指先の血流悪化や感覚の麻痺、手首などの骨や関節の障害が該当します。感覚の異常や痛みにより、日常生活に支障を来すケースも少なくありません。
 

職業病を防ぐための対策

水道屋や設備屋によく見られる職業病を、未然に防ぐためにはどのような対策が有効でしょうか。
 

職場のルール厳守を徹底する

職病病を予防するには、適切な職場ルールを制定し、従業員自身が厳守するように呼びかけることが大切です。現場作業での防じんマスクや保護メガネの着用義務など、各自の体を自分で守るための規則についてよく理解し、正しく活用する必要があります。
 

安全かつ快適な職場環境を整備する

事業者側は、従業員が安全かつ快適に仕事に取り組める環境を整備する必要があります。現場で作業する労働者が現場環境について最も理解しています。危険性や問題の指摘があれば、すぐに確認して改善策を講じることが大切です。
 

現場の照明や空調などを調整することは、業務の効率化にもつながります。加えて、長時間労働や残業時間の是正も検討する必要があるでしょう。
 

定期的に健康診断を行う

従業員は、定期的に健康診断を受ける義務があります。健康診断により、職業病の予防や早期発見が可能です。また、産業医からの指導も利用できるため、過重労働の改善や健康状態の適切な把握にもつながります。
 

まとめ

職業病は、労働環境や作業内容に起因する障害や病気を指し、発症したタイミングや要因によっては労働災害に該当します。建設現場で多い職業病には、じん肺やアスベスト疾患、振動障害があります。
 

職業病を予防するためには、従業員と企業双方が意識して対策を取ることが大切です。また、事業者側は、労働者の健康診断や作業環境の整備に取り組む必要があるでしょう。
 

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水道屋や設備屋の職業病についてよくある質問

水道屋や設備屋が職業病になる代表的な原因は?

水道屋や設備屋が職業病になる原因はさまざまですが、主な原因としては「労働環境の問題」「長時間労働」「人間関係のトラブル」などが挙げられます。
 

また、仕事内容や役割が不明確で、責任があいまいなままだと不安や混乱が生じやすく、精神的な疲労から体調不良や疾患につながる可能性もあります。現場の問題や課題を的確に把握し、有効な改善策を取り入れることが、職業病予防に役立ちます。

水道屋や設備屋の職業病になった場合の対応は?

職業病の恐れがある、もしくは職業病になった場合、事業者側は職業病リストで症状を確認し、労災指定病院での診察を手配します。該当病院での受診時には、仕事が原因の怪我や病気であると必ず病院に伝える必要があります。
 

職業病と診断されたら、労災の手続きを速やかに行いましょう。状態によっては、休職や職務変更の検討も必要です。

職業病の認定数は? 

厚生労働省のデータによると、職業病と認定され支給決定が出た件数は、令和4年度は159,982件です。前年度の29,367件と比較して5倍近く増加しています。令和4年度の内訳は、「細菌、ウイルス等の病原体による病気」が150,621件と大部分を占めており、新型コロナウイルス感染症が影響していると考えられます。

職業病になりやすい職種はある?

職業病リストに記載されている障害や病気は多数あり、一部の職種や業界だけが職業病になりやすいとは言えません。ただ、腰痛に関して言えば、介護職や看護職などは、患者の介助や移動で腰に負担がかかりやすい傾向があります。
 

また、長時間のデスクワークも腰痛や腱鞘炎を起こしやすい仕事です。定期検診や労働環境の見直しなどを通じて、日常的に体調に気を配ることで、職業病を予防することが可能です。

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