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  • 2024年08月01日

施工図屋の役割や平均年収、必要資格や課題を解説

建設業に関する知識
施工図屋の役割や平均年収、必要資格や課題を解説

施工図屋は、建設工事で欠かせない施工図を扱う仕事です。設計図や意匠図から、各業者が現場で作業するために必要な情報を抽出し、施工図としてまとめる必要があります。近年は、3DCADなど技術の進化とともに、図面作成時に求められる能力やスキルも変わりつつあります。

 

本記事では、施工図屋の役割や平均年収、持っていると役立つ資格、課題と将来性などについて詳しく説明します。施工図屋として活躍するうえで、知っておくべき情報を網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

施工図屋とは?

施工図屋とは、建設・土木工事などの現場で必要な施工図を作成する担当者です。建設現場では、設計士が作成する設計図をはじめ、さまざまな種類の図面が用いられます。
 

設計図は、仕上がりの形状やデザインなどの完成イメージを示すための図面であり、設計図だけで現場業務を進めることはできません。そこで、現場での作業をスムーズに進めるために施工図が作成されます。
 

施工図には、ドアや窓など建具の寸法や取付位置、資材の種類、配線の仕方など設計図には記載されていない情報も網羅する必要があります。企業や現場によっては、施工監督が施工図屋の作業を兼任する形で施工図を作成し、現場業務に取り組むケースもあります。
 

施工図屋の役割

施工図屋が担う主な役割について解説します。
 

工事で必要な施工図の作成

施工図の作成は、施工図屋の代表的な仕事です。意匠図や設備図などの設計図に記された完成イメージを実現するために、現場作業に必要な情報を盛り込んだ図面を作成します。施工図に記載される情報はケースバイケースで異なりますが、各フェーズにおける建具や意匠などの寸法や材料の種類、配線の流れなどが含まれます。
 

施工図に誤りがあると、現場作業に支障を及ぼし、工期の延長や材料費、施工費の追加といったリスクも出てきます。製品の仕様や各工事業者の仕事の進め方に関する知識を用いて、正確な情報を漏れなく記載した施工図を作成することが大切です。
 

設計士と現場作業者の仲介

施工図屋は、設計士と現場作業者とをつなぐ役割も担っています。正しい施工図を作成するためには、設計者や工事業者の円滑なコミュニケーションが必須です。設計士が持っている完成イメージを設計図から的確に把握し、現場で作業を行う職人や業者が把握できるように施工図に情報を盛り込みます。
 

また、実際に工事を行ううえで問題なく作業ができるか、仕上がりを実現できるかといった点を確認し、必要に応じて設計士との擦り合わせを行うことも重要です。工事が進むにつれて変更が必要になった場合や、不具合が生じた際に、各者と調整を行うこともあります。話し合いがしやすいよう、普段から良好な関係を築いておく必要があります。
 

発注者の外部サポート

現場監督が施工図屋を兼任し、施工図を作成するケースもありますが、基本的に施工図屋は施工会社とは別の立場として仕事を請け負います。そのため、施工図の作成だけでなく、第三者として外部から発注者をサポートする役割も担います。
 

高い技術や経験値を持つ施工管理の専門技術者として、円滑な現場作業を支援するために現場に出向く場合もあります。
 

施工図屋の平均年収とは

施工図屋の年収は、経験や保有している資格などによって差が見られます。民間転職エージェントが公表しているデータによれば、施工図の作成を含む業務を担当する施工管理職の平均年収は約451万円です。
 

また、建築施工管理技士の有資格者は、平均年収が約522〜565万円とされています。政府の統計データを見ると、一級建築士の有資格者の平均年収は約560万〜831万円です。
 

施工図屋に有効な資格

施工図屋として活動するために、必須の資格や免許はありません。ただ、特定の資格を取得することで、仕事に必要な基礎知識を得られるうえ、転職や年収アップにつながる可能性もあります。ここでは、施工図屋の仕事に役立つ資格を紹介します。

建築士(1級・2級)

建築士は、建築物の設計や施工、管理に必要な国家資格です。建築士資格を取得することで、建築全般に関する包括的な知識を持ち合わせていることを証明できます。建築業界で活動するうえで取得しておきたい資格の1つであり、転職の際にも有利になる可能性があります。
 

1級と2級に分かれており、1級建築士はあらゆる構造や規模、用途の建築物において設計を担うことが可能です。一方、2級建築士は戸建住宅など小規模な建造物のみに限られます。
 

いずれも、環境や設備、建築法規、構造などに関して出題される学科試験と、製図を行う設計製図試験があります。試験勉強を通じて、施工図に役立つ知識を総合的に習得できるでしょう。
 

建築施工管理技士(1級・2級)

建築施工管理技士は、現場の施工管理に関する国家資格です。建築施工管理技士を取得することで、工事業者が意識している内容の理解など、施工図を作成するうえで重要な知識を身につけることが可能です。
 

1級と2級の2つがあり、1級建築施工管理技士は、特定建設業の許可を得る上で必要な監理技術者として活動できます。また、2級建築施工管理技士は、一般建設業許可を得るために必要な専任技術者として業務を遂行することが可能です。
 

CADやBIMに関する資格

近年は、手書きで施工図を作成する機会は減ってきており、一般的にはCADなどのソフトを用いて作図を行います。CAD関連資格を取ることで、ソフトで図面を扱うスキルや能力をアピールできます。
 

また、BIMのような最先端技術も今後重宝される可能性があるでしょう。民間のBIM資格を取得することで、施工図屋として活動の幅を広げることにもつながります。
 

施工図屋が抱える課題

施工図屋が抱える課題や問題として主に4つの項目が挙げられます。
 

納期と作業量のバランス

一般的な建設現場は、多くの業者が携わっており、天候や運搬状況などの影響により工程に遅延が起こることも珍しくありません。そのため、工事の後半で納期が短くなる可能性があります。
 

また、施工管理の業務は、現場での調整に加えて事務作業が発生するため、勤務時間も長くなりがちです。場合によっては、高所での作業など危険性を伴うものもあり、体力が必要になるため、作業負担も増えやすいでしょう。
 

過酷な環境で、施工図の作成から修正の反映、工事業者との調整まで施工図屋としての業務を円滑に進める上で、労働環境の極端な偏りには注意が必要です。
 

3DCADやBIMなどの新技術への適応

3DCADやBIMなどの新技術への適応も、重要な課題です。最先端技術が次々と開発される中で、施工図の作成や現場作業にも必要に応じて導入する必要があります。
 

紙の図面からデジタルデータに移行したものの、印刷して紙を扱うケースは少なくありません。将来的には、3DモデルやBIMを用いてデバイス上で閲覧、シェアするといった方法も浸透していくでしょう。
 

企業や部署では新しいツールの導入や運用に時間を要するため、新技術の活用について早めに話し合いを始めましょう。
 

施工図屋の課題解決のポイント

施工図屋の課題解決を目指すために有効な方法やポイントについて説明します。
 

労働環境や労働条件の見直しと改善策を取り入れる

業界全体の課題でもある労働環境や労働条件の見直しと改善は、施工図屋の業務をまっとうするうえで避けて通れません。
 

企業や部署単位での改善に取り組む必要があり、簡単に変えることは難しいでしょう。施工図の重要性を改めて認識し、労働条件とのバランスを最適化する対策を講じることが大切です。
 

新しい技術や最新情報を積極的に取り入れる

最先端技術を搭載した新しいツールは、今後も登場するでしょう。施工図屋としての業務負担の軽減や図面作成、現場業務の効率化に向けて最適なシステムやツールはないか、最新情報にアンテナを張っておくことが大切です。
 

まとめ

施工図屋は、現場作業に必要な施工図を作成するだけに留まらず、設計士と工事業者との仲介役として調整を行う立場でもあります。職種に就くために必要な資格はありませんが、施工図を作成するうえで役立つ知識を得るために、建築士や建築施工管理技士の取得も有用です。
 

3DCADやBIMなどの最先端技術にも注目することで、自社における施工業務の最適化が進み、生産性向上につながります。業務効率化には、専用ソフトの導入もおすすめです。
 

水道工事や電気、設備工事に特化したCADソフトの「plusCADシリーズ」は、施工図の作成はもちろん、見積書や申請書類の作成・管理までを一元的に行えます。この機会に、導入をご検討ください。
 

施工図屋についてよくある質問


施工図屋に向いている人の特徴は?


施工図屋として、施工図の作成に必要な建築の専門知識とスキルが必要です。現場の課題を明確化し、解決に向けて能動的に考え行動できる人材が求められています。

 

また、設計士と工事業者との間に入り、工事に関する調整を任されるため、コミュニケーション能力も必要です。3Dモデルなど新しいテクノロジーに興味を持ち、常に向上心をもって学ぶ姿勢のある人は、即戦力として活躍の場が広がるでしょう。

施工図屋の主な転職先は?


施工図屋として活動できる職場は、多数あります。一部として、以下が挙げられます。

 

  • ゼネコン

  • 建設会社

  • ハウスメーカー

  • 工務店

  • 内装業者


 

上記以外にも、施工図を担当するポジションの派遣会社という選択肢もあります。派遣社員として、ゼネコンなどの現場で施工図の作成や編集を担います。

施工図屋の業務効率化のポイントは?


施工図屋では、図面管理も重要な仕事の1つです。図面管理を効率的に行うためのポイントとして、以下の項目が挙げられます。

 

  • フォルダ名やファイル名のルール化(保管場所の管理)

  • 最新図面の明確化

  • セキュリティ対策


 

図面をデータで保管する場合は、フォルダやファイルに関するルールを、紙で保管する場合は管理場所を決定し、関係者に共有しましょう。また、図面には機密情報も含まれるため、紛失や盗難を防ぐためにパスワード設定などセキュリティ対策も徹底する必要があります。

施工図屋として仕事をするメリットは?


施工図屋として仕事をする最大のメリットは、需要が高い点です。人手不足が深刻化している現在、優秀な施工図屋を求める企業や現場は多くあります。仕事の質が高ければ、次の現場も任される可能性が高まり、継続的に仕事が入ってくるでしょう。また、企業によっては内勤部署での施工図作成を担当できる場合もあります。

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