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  • 2024年08月02日

水道工事に必要な道具10選

水道工事に関する知識
水道工事に必要な道具10選

水道工事の作業を行う水道整備士は、現場でさまざまな道具を使用します。なかには併用や兼用が難しく、使いたい道具を持っていないと作業が進まなくなってしまう可能性もあるため、一通り揃えておく必要があります。

本記事では、水道整備士の作業に必要な道具を詳しく紹介します。水道整備士の作業効率や仕事の質に直結する道具の重要性をここで押さえておきましょう。

水道整備士の作業効率は道具で大きく変わる

水道工事を行う水道整備士にとって、作業効率を保つためにも道具選びは重要です。具体的な道具については後述しますが、必要な道具が揃っていないと工事自体が進まない可能性も出てきます。
「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、水道工事では代用や兼用ができない道具も少なくありません。例えば、プライヤーは物を掴む際に便利なようギザギザになっていますが、似たような形状だからといってモンキーレンチを使っても、滑りやすいために作業効率が落ちてしまうでしょう。
また、配線などを切断する際に使用するニッパーを、プライヤー代わりに使うと余計なものまで切ってしまう可能性があります。修繕工事や改造工事では、実際に現場を見て使う道具を判断しなければならないケースもあるため、必要な道具を一通り揃えておくことは、水道整備士として仕事を受けるための大前提といえます。
 

 

水道整備士に必須の仕事道具10選

ここからは、水道整備士が工事現場で使用する10の道具について解説していきます。それぞれの特徴やタイプ、似た道具との違いなども説明するので、参考にしてください。
 

モンキーレンチ

モンキーレンチは、配水管の工事に欠かせない道具の1つです。支持金物などのボルトやナットの取り外し、固定を行うために使用します。
スパナと似通った見た目ですが、モンキーレンチは挟む幅を変更できますが、スパナは変更できません。モンキーレンチがあれば、ナットのサイズに合わせて幅を自由に調節できて効率的です。
モンキーレンチにも対応幅の異なる種類があり、大きさによって締め付けのパワーや対応できる金具のサイズは変わります。オーソドックスなものがあれば、多くの現場で対応できるでしょう。
 

プライヤー

プライヤーも、モンキーレンチと同じように金具などのものを挟む、掴むといった場合に使用します。モンキーレンチと違う点は、アゴと呼ばれる挟む部分にギザギザ状の溝が入っており、アゴの先端でものを挟み、中央部分で大きなものを掴むという使い分けが可能です。
また、本体が交差する中央に近い部分は、細い線を切断できるワイヤーカッターが付いています。ビスやメッキ管のような丸いものでも、てこの原理を利用して小さな力でしっかり掴むことができます。平たい形状のものを潰す、ケーブルをよじるなどさまざまな用途で使えます。
水道管や配管のパイプを掴む際には、ウォータポンププライヤー(カラス)を使用するのが一般的です。アゴを大きく開ける仕様で、厚みのあるものや大きなパイプも確実に挟むことができます。
 

ラチェット

ラチェットは、ボルトやナットを調節する際に使用する道具です。回転方向が一方向のみに制限されるため、金具の取り付けや取り外しを効率的に行えます。
ラチェットにはさまざまな形状があります。水道工事で主に使用されるのは、板ラチェットレンチと呼ばれるタイプで、水道工事現場で多く使用される10〜11mm径のネジや、便器やタンクのボルトを外す、固定するといったシーンで用いられます。
 

ニッパー

ニッパーは、ワイヤーなどを切断するための工具です。先端部分が切ることに特化しており、ものを挟む、掴むといった機能は持ち合わせていません。金属線のような比較的柔らかい線から、針金やプラモデルのパーツを切り離すといった場面で使用されます。
ニッパーは、JIS規格において強力級と普通級という2つの種類に分けられます。水道工事では、強力ニッパーの他、スタンダードタイプや皮むき作業用のニッパーなどが必要です。
ニッパーとペンチは見た目が似ているため、間違われやすい傾向がありますが、明確な違いがあります。ニッパーは切断専門の道具であるのに対し、ペンチは先端部分がギザギザになっており、挟む目的でも使用されます。
 

ドライバー

ドライバーは、工事現場における基本の工具で、水道工事でも最もよく使う道具の1つです。トイレの止水栓を閉める、キッチンのレバー水栓やハンドル水栓のツマミを取り外すといった場面で、プラスマイナスのドライバーを使います。
また、点検口のカバーを取り外す際に、ネジを回すためにもドライバーが欠かせません。便器交換では、固定金具の装着または温水洗浄便座のリモコン取り付けにも用いられます。一般的なドライバーの他に、電気工具のインパクトドライバーを使うことで効率的に進められる場合もあります。
 

カッター

汎用性の高いカッターは、現場で使用回数の多い工具です。しっかりした工具タイプのカッターだけでなく、細身のカッターも細かな箇所の作業に重宝します。
養生材やゴム版、保温材、コーキングなどを使用する部分に合わせてカットするときや、水栓金具や部品を梱包された段ボールやビニール袋から取り出す際になど、使い道はさまざまです。
また、削り取る作業にもカッターが役立ちます。水漏れなどを防ぐために、水栓回りや洗面台の隙間などに残っているコーキング剤を、カッターできれいに削ぎ落してから部品を装着します。
 

六角レンチ

六角棒レンチは、正六角形の穴が開いているネジやボルトを緩める、または締める際に使う工具です。六角スパナや六角棒レンチといった呼び方もします。最近では、組み立て式の家具などに付いているため、工事現場以外でも見たことや使ったことがある人もいるでしょう。
水道工事では、給水管や給湯管と水回り機器の間のソケット(ザルボ)やプラグを固定、取り外ししたい場合に役立ちます。小型で軽量ながら、てこの原理を利用してソケットなどをしっかり締め付けることが可能です。
 

ビニールテープ

水道工事の必需品であるビニールテープは、幅や色、素材などさまざまな種類のものが必要です。よく使われるのは、グレーや白色の薄手のビニールテープです。
グレーのテープは、保温材に巻きつける際に使用されますが、気温が低くなると伸びずらく、扱いにくくなる場合もあります。白色のテープは幅が狭く、主に被覆付き銅管の露出部分の継手などに使われます。
上記の他に、ビニールテープよりも厚手の防食テープや、ダクトに用いられるアルミテープ、養生テープなどがあります。また、公共工事では、配管ごとに管明示テープや表示テープをつけて区別します。
 

手袋

水道工事では、ゴム性などの手袋をよく使うため、多めにストックしておきましょう。危険な物質を扱う機会は多くないものの、破れや汚れの際に交換できるよう予備を持っておくと安心です。
柔らかく手にフィットしやすいタイプは、長時間の細かな作業にも適しています。ゴム手袋には、指先エンボス加工入りや天然ゴムタイプなどさまざまな素材が用いられています。
 

潤滑油スプレー

潤滑油スプレーは、蛇口や水栓金具の修理に使用します。グリスと呼ばれることもあり、洗面台やキッチンなど飲用水の設備には、飲用可能なシリコングリスを選ぶと安心です。
スプレータイプの他に、チューブから出すタイプもよく用いられます。各メーカーの蛇口用グリスの他、非正規品のグリスを使うこともありますが、オイルの使用期限を確認してから使うことをおすすめします。古くなると硬くなって使いにくくなるため、状態を見て新しいものを用意しましょう。
 

 

まとめ

水道整備士が工事現場で使う道具はさまざまなものがあります。水道工事では、作業箇所に適した道具があるかどうかで、作業効率が変わります。必要な道具がないと作業が予定通りに進まないだけでなく、最悪の場合作業できない可能性も出てくるため、日頃から道具を一式揃えておきましょう。
マルチに使えるオーソドックスなタイプもありますが、異なるサイズや種類を揃えるべきものもあるので、今回紹介した道具リストを参考にしてみてください。
 

水道工事に必要な道具についてよくある質問

水道整備士になるために必要な資格はありますか?

パッキンの交換など、簡単な修理程度であれば無資格で工事を行っても問題ありません。ただ、給水装置の交換・修理や水道管から給水管を住宅へ引き入れる工事など、一部の水道工事を行うために必要な資格があります。
水道工事を自治体から受注できる指定事業者の認定を受けるためには、国家資格である「給水装置工事主任技術者」が必要です。また、「管工事施工管技士」を取得すると特定建設業の営業所ごとに必要な専任技術者や監理技術者として認められます。
他にも、施工に役立つ資格としては「排水設備工事責任技術者」や「浄化槽管理士」などがあります。
 

水道整備士が独立するメリット・デメリットは?

水道整備士のなかには、独立して働くことを検討する人もいるでしょう。一人親方の多い建設業界では、実際に独立開業する人も少なくありません。
水道整備士が独立するメリットとしては、自由な働き方ができる点や年収の上限がない点が挙げられます。事業が軌道に乗ってきたら、従業員を雇って組織化することで安定的な経営につながります。
一方で、独立開業には年収が不安定になりやすいというデメリットもあります。また、自分1人で活動する場合には、怪我や病気などで働けなくなると収入が減ってしまう可能性もあり、対策を考慮しなければなりません。
健康保険や年金、税金なども自分で払う必要があるので、事前の開業準備や情報収集、受注のためのネットワークづくりなど必要な対策を行っておくことが大切です。
 

水道整備士として独立後に工事を請けるには?

水道整備士として独立後に工事を受注するためには、早めに法人化を検討すると良いでしょう。個人事業主よりも法人の方が社会的な信用度が高く、スムーズに受注を受けられる可能性が高まります。
また、水道工事に有利な資格を取得することで、スキルや知識を客観的に証明できるため、仕事を受けやすくなるでしょう。建設業許可を取得すれば、公共工事の入札にも参加できるようになり、信頼性がさらに高まります。
対応できる工事が多いほど受注できる案件が増えるので、実務経験を積んで、資格を取るなどの対策も有用です。
 

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