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  • 2024年08月08日

電気設備工事の内容とは?種類や必要資格・難易度を解説

電気工事に関する知識
電気設備工事の内容とは?種類や必要資格・難易度を解説

電気設備工事と聞くと「電気工事と同じものでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。確かに名前は似ていますし、電気工事のひとつなので大差はありませんが、電気設備工事は電気を使用するための設備工事に限定されます。この記事では、電気設備工事の仕事内容や種類、必要資格・資格取得の難易度について解説します。

電気設備工事の仕事内容とは?

電気設備工事は、建物の内部に電気を引き込み、分電盤からコンセントや照明などに電気を届けるのが主な仕事内容です。たとえば、大型商業施設では高圧の電気を建物内に引き込み、各所で使用できる電圧に下げて配電しますが、その際に使用する受変電設備を設置する工事を担当します。また、電話やインターネット回線、インターフォンなどの通信設備の設置や増設などの工事も電気設備工事の業務範囲です。多くの場合、設置後の点検やメンテナンス、修理なども対応します。一般住宅はもちろん大型商業施設や各種店舗物件まで、電気設備を使用する建物には必ず電気設備工事が伴うため、日常生活に欠かせない仕事です。
 

このうち主要な仕事となる電気の引き込み方式には架空線方式と地中化方式の2つあります。架空線方式とは、電力会社が所有する電柱から受変電設備にケーブルを引き込む方式で、工事費用が安いのが特徴です。ただし災害に弱く、景観が悪くなるデメリットもあります。地中化方式は、地下にある埋設管路から中継するボックスを経由して受変電設備に引き込む方式です。露出していないため災害に強い一方で、工事費用は高くなります。
 

電気設備工事と電気工事の違い

電気設備工事は、電気を使用するための設備工事という位置付けで、電気工事は電気設備の設置工事を含む各種配線工事、電気を通すための設計などが業務範囲という違いがあります。そのため、電気設備工事は広い意味で電気工事のなかのひとつと言えます。重なる部分が多いので混同しがちですが、電気設備工事とすることで電気工事の工事内容と区分しているという認識で問題ありません。いずれにしても、電気を安心・安全に使用するために欠かせない工事です。
 

電気設備工事の種類

一口に電気設備工事と言っても、業務内容によって種類が異なります。ここでは主な7種類の工事を解説します。
 

受変電設備工事

電力会社から送られてくる高圧の電力を建物内で利用できるように、低圧の電力に変圧する受変電設備の工事です。電力消費量の多いオフィスビルや工場などが主な対象です。

 

電灯動力設備工事

建物内にある動力電源や電灯を確保するための工事です。工事は主に2種類あり、建物内に電源を供給する分電盤の設置工事と、受変電設備から分電盤に電気を送る配線の敷設工事に分けられます。
 

照明設備工事

建物に照明や電灯を設置する工事です。白熱電球や蛍光灯からLEDに交換する工事も照明設備工事に含まれます。施設の形状や発注者の要望などを確認したうえで、経済性と効率性のバランスに配慮する必要があります。
 

コンセント設備工事

電気器具を使用するためのコンセントの設置および配線をする工事です。どこにどれだけのコンセントが必要なのか、発注者へのヒアリングをしながら計画を練ります。
 

弱電設備工事

電話設備、インターフォン設備、テレビ共聴設備、防犯設備など、電圧が60V以下で通信用に使われる設備の工事です。新設以外に内装の変更に伴う移設や増設工事もあります。
 

LAN配線設備工事

建物内にネットワーク環境を構築するためにLANケーブルを引き込み、配線する工事です。床下や壁の中に埋め込むのか、露出しても問題ないのか、発注者側の意見も聞きながら最適な環境を構築できるように進めていきます。
 

防災設備工事

火災検知器・警報機、誘導灯設備、非常放送設備などを設置する工事です。人の命と建物を守るため、設置したら終わりではなく定期メンテナンスも重要な役割です。
 

 

電気設備工事の必要資格

電気設備工事を行うには資格を取得する必要があり、また取得が必須ではなくても取得しておいたほうが良い資格があります。ここでは、工事を行うために必須の資格と安全に作業するために取得しておきたい資格を解説します。
 

工事に必須の国家資格

まずは工事を行うために欠かせない技術系の資格を見ていきましょう。
 

第二種電気工事士

電圧が600V以下の建物や設備の電気工事に必須の資格です。電気設備工事に携わる全ての人が最初に目指すべき資格です。令和3年度の合格率を見ると、筆記試験で59.2%、技能試験は約72.8%となっています。
 

第一種電気工事士

第二種電気工事士の上位資格で、資格取得により電気設備のほとんどを対象に工事できます。令和3年度の合格率は筆記試験で53.5%、技能試験は67%ですから、第二種電気工事士よりも難易度の高い資格であることがわかります。
 

2級電気工事施工管理技士

電気工事の施工管理を行うための資格です。資格取得により、専任技術者・主任技術者として業務ができます。令和3年度の合格率は、一次・二次試験ともに68.7%です。
 

1級電気工事施工管理技士

2級電気工事施工管理技士の上位資格です。資格取得により、専任技術者・主任技術者に加え、監理技術者の業務も対応できます。令和3年度の合格率は、一次試験53.3%、二次試験が58.8%という結果でした。
 

認定電気工事従事者

第二種電気工事士の資格では対応できないビルやマンションなどにおいて、簡易電気工事を行える国家資格です。第二種電気工事士の資格を取得した後に、対応可能な工事の幅を広げるために取得する方が多いです。試験はなく、講習の受講により資格を取得できます。
 

特殊電気工事資格者

ネオン工事や非常用発電装置などの特殊な電気工事のための資格です。第二種電気工事士・第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格では対応できない範囲の工事を行うため、ネオンや非常用発電装置を取り扱う場合は資格取得者の設置が必要です。講習の受講により資格を取得できます。
 

労働安全衛生関係の資格

次に、電気設備工事を安全に行うための資格を紹介します。
 

電気取扱者(低圧、高圧・特別高圧)

現場で作業する人たちの安全面を確認する資格です。低圧電気取扱者と高圧・特別高圧電気取扱者に分かれており、いずれも講習の受講により資格を取得できます。
 

職長・安全衛生責任者

電気設備工事の現場において、職長や安全衛生責任者として作業員の教育、工具類の点検、安全面の確保などの業務を行う資格です。講習の受講により資格を取得できます。
 

高所作業車運転者

作業床の高さが10メートル以上になる高所作業車の運転をするための資格です。講習と修了試験により資格を取得できます。道路を運転する際は自動車免許が別途必要です。
 

車両系建設機械運転者

3トン以上のパワーショベルなどを運転する際に必要な資格です。こちらも受講により資格を取得できます。電線管を地中に埋める工事などではパワーショベルを使用するため、取得しておきたい資格です。
 

 

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よくある質問

 

電気設備工事は具体的にどのような仕事をするのですか?

電気設備工事は、建物の内部に電気を引き込み、分電盤からコンセントや照明などに電気を届けるのが主な仕事内容です。たとえば、大型商業施設では高圧の電気を建物内に引き込み、各所で使用できる電圧に下げて配電しますが、その際に使用する受変電設備を設置する工事を担当します。また、電話やインターネット回線、インターフォンなどの通信設備の設置や増設などの工事も電気設備工事の業務範囲です。多くの場合、設置後の点検やメンテナンス、修理なども対応します。一般住宅はもちろん大型商業施設や各種店舗物件まで、電気設備を使用する建物には必ず電気設備工事が伴うため、日常生活に欠かせない仕事です。
 

電気設備工事にはどんな種類がありますか?

電気設備工事は建物で使用するさまざまな電気設備に関する工事を行います。たとえば、大型の商業施設やオフィスビルにおいては、高圧電力を低圧電力に変圧する受変電設備の設置や配線工事が電気設備工事の役割です。また、建物の規模にかかわらず、照明設備やコンセント設備、防災設備などの新設や増設、交換などの工事があります。また、建物内でネットワークを構築するためのLAN配線工事も電気設備工事の仕事です。設置以外にメンテナンスも電気設備工事業者に依頼されることが多いので、需要の高い業種と言えます。
 

電気設備工事を受注するためにはどんな資格が必要ですか?

工事を請け負うにあたって取得しておきたい資格はたくさんあります。まず、第二種電気工事士は必須の資格ですが、対応できる工事規模は小規模店舗や戸建て住宅など限定的のため、制限のない第一種電気工事士の資格も取得しておきたいところです。ただし、難易度が高く誰でも取得できるわけではないため、受講だけで取得できる認定電気工事従事者の資格を取得するのがおすすめです。こちらは第二種電気工事士よりも対応できる工事が多くなります。また、現場で電気工事を行う作業員を管理するための電気取扱者の資格取得もおすすめです。
 

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