- 2024年07月24日
水道工事の配管図面の作成で専用CADソフトを導入するメリットとは?
水道の給水工事・排水工事を施工する場合は、工事前に必ず工事図面を作成します。この図面は発注先から求められるだけでなく、各自治体に提出する申請書類にもなりますので、正確に作成しなければなりません。水道工事を専門とする業者であっても、昔ながらの手書きやJWCADなどで図面を作成しているところはいまだ多いのですが、最近は水道工事用に開発された専用CADソフトも充実してきています。今回はこういった専用ソフトを導入するメリットについて紹介します。
コンテンツ
水道工事の配管図面をCADで作成する手順
ここでは水道工事において作成する図面を解説します。
ライフラインとなる水道工事の配管図面は正確性が求められます。
図面に不備があれば修正しなければならず、工事全体が遅れることになりかねません。
正確な図面を作成するためには、手書きよりもCADがおすすめです。
手書き図面はミスが起こると最初から手書きとなることも多いですが、CADならデータの修正だけで済むことが多く、短時間で修正が可能です。
平面図を作成する
水道の配管図面を作成する際は、建物の間取りなどが書かれた平面図をもとに作成していきます。
平面図は建物を俯瞰で見た場合の配管の様子がわかる図面です。
公的機関への申請書類となるうえ、現場の工事担当者に見せる基本的な図面になります。
配管は赤線などで引き、配水管の一般表示、口径、管種、そして取り出し位置や消火栓、仕切弁、メーターなどのシンボルを書き込んでいきます。
側面図・正面図・アイソメ図を作成する
平面図に加えて、実際の現場では建物を横から見た図面である「側面図」、正面から見た「正面図」を作成し、場合によってはこの3種類の図面を1つにした立体図面である「アイソメ図」を作成することもあります。
これらの図面はすべて連動しているので、修正する場合にはすべての図面を修正しなければなりません。
水道の配管工事というのは、工事前の検討段階や現場での状況によって図面を修正することが頻繁に起こりますし、年代のわからない配管を使用しているケースではその材料拾いが非常に難しいこともあります。
必須の図面ではないとはいえ、立体的なイメージを現場に伝えることのできるアイソメ図は寸法や交差の状況などがわかりやすいので、作成しておくと現場で非常に重宝されるでしょう。
「材料拾い」で知っておくべき水道配管の種類
工事原価を算出するためには積算作業が必要です。
そのなかで重要なのが、使用する材料の数を図面から拾い出す「材料拾い」と呼ばれる作業です。
正確な材料拾いができなければ、見積書の金額が発注者側の想定金額とズレてしまいます。
見積書金額が高い場合は工事を受注するのが難しくなり、低い場合は受注しても赤字工事となるリスクがあるため、正確な材料拾いが重要です。
そのためには、水道工事で使用する配管の種類を知っておくことが大切です。
水道配管に使う管の種類は材質、口径などがさまざまあり、年代や場所、用途によって種類が全然違うこともあります。
水道工事の配管図面作成では、こういった配管の種類のデータを既存のもの、新設のものを含めて、現場に最もふさわしい材質の配管を導き出さなければなりません。
古くから使われている「鉛管」や「鉄管」
水道配管には、かつては「鉛管」や「鉄管」が使われていました。
しかし、これらの管は健康被害の恐れやサビが出るといった理由で撤去が進んでいますが、古い建物ではいまだに使用されていることもあります。
こうした古い配管がある現場では新しい配管に取り替える工事が必要となるでしょう。
衛生設備に利用されている「銅管」
抗菌作用があり、腐食しにくく、鉄管よりも熱に強いなどの理由から銅管も水道管に利用されています。
特に耐熱性が必要とされる給湯管に利用されるケースが多く見られ、ホテルや旅館などを中心に使用されています。
一方で、施工には「はんだ付け」が必要となるためスピーディーさが求められる工事には向いていません。
また、腐食した場合は小さな穴が開く場合が多く、樹脂製の配管へ変更するケースも見られます。
水道管の主流となった「ポリ管」
現在の主流はいわゆる「ポリ管」で、ポリエチレン管です。非常に扱いやすく種類も豊富で、時代のニーズに合わせた新製品も生まれています。
材料拾いの段階では、古いものだと規格の基準が変わってしまった項目が多く、同様の管材を集めることにかなり苦労します。
さらにポリ管にいたっては種類があまりに多いため、現場に合ったものを選ぶには管材に関する豊富な知識が必要です。
適切な管材を拾い出すことは、安全な水道工事と正確な見積書の作成につながります。
現場で活躍する「アイソメ図」とは?作成方法の基本
アイソメ図とは「アイソメトリック図」の略称で、日本語では「等角投影図」と呼ばれています。
立体を斜め上から見下ろした視点で作図する方法で、縦横高さの軸が120度で交差するように描くのが特徴です。
アイソメ図があることで全体を俯瞰して見ることが可能になり、配管ルートをイメージしやすくなるメリットがあります。
配管のルートは縦横に入り組む場合が多いですが、アイソメ図があれば立体的に描くことができるため現場で重宝されます。
ただし、あくまでも参考図面であるために必ず用意しなければならないものではありません。
現場で渡された平面図の配管図面をもとに、工事担当者が一生懸命フリーハンドで描いていることもよくあります。
アイソメ図を作成することは描いた経験のない人にとってハードルが高いのですが、一度描いてコツを覚えればそれほど難しくはありません。
等角図用の方眼紙を利用して描くと、立体的な作図がしやすいのでおすすめです。
コツはとりあえず配管の長さを意識せず、あくまでルートがわかりやすいように意識して描くこと。
手前の配管を優先して奥側の配管の交差する線を切り、天と地の方向を意識して描いていきましょう。
うまくルートが描けたらフランジやエルボなどの部材を書き込んでいくと完成です。
アイソメ図はあくまでも参考見取図で、複雑な配管図面を視覚的にわかりやすくするためのものです。
ただフランジやバルブなどの配置や数を確認しやすくなるので、部材の不足などにも気づきやすくなります。
アイソメ図はCADで製作することができますが、現場で簡単に描けるスキルがあるととても便利です。
水道工事ではどんなCADがおすすめ?
水道工事を行う際は、配管の平面図、立体図の工事図面や材料などのデータを細かく記載した見積書などを申請書類とともに作成しなければなりません。
配管工事では配管のルート変更や部材の変更も頻繁に起こりますから、図面の修正に時間がかからないように効率化しておく必要があります。
そこで、専用のCADソフトを導入することになります。最近では水道工事専用CADソフトの種類も増えていますので、どれを導入したらいいのか迷っている方も多いでしょう。
そこで、簡単にソフトを選ぶポイントを挙げておきます。
まず重要なのは、データを修正する場合の手間がほとんどかからないソフトを選ぶことです。
水道工事の配管図面ではデータの修正が日常茶飯事ですが、1つの数値を変更するだけでも関連する図面や書類のすべてを変更しなければならなくなります。
したがって、ソフトにデータを入力するだけで見積書から部材表まで連動して反映される機能を備えたソフトが非常におすすめです。
数値だけでなくルートなどのデータ変更が平面図や立体図に自動的に反映されるソフトだと、さらに便利でしょう。
ただし、機能が複雑すぎて分厚いマニュアルを読まないと使えないソフトもあります。
使いにくくてせっかくのソフトがお蔵入りしているというケースも少なくありません。
そのため、初心者やパソコンの苦手な人でも使いやすいことが、ソフト選びの第2のポイントとなります。
専用CADを導入するメリット
CADソフトにはさまざまな種類があるため、導入する際に悩んでしまうかもしれません。
水道工事用の図面を描くなら専用のCADソフトを導入するのがおすすめです。
作成時間の大幅な短縮
一般的なJWCADを利用して配管図面を作成していると、簡単な文字の入力や削除でも相当な手間となります。
そして、立体図面や縦断図の作成は立体CADの操作に通じていないと難しいため、手作業で行っている業者も多いのが実情です。
しかし最近リリースされている専用CADソフトでは、マウスクリックだけで図面が作成できる、立体図面も自動的に作成できる、といった機能を備えたものが増えてきています。
こうしたソフトを活用して得られる最大のメリットは、時間の短縮化です。
専用ソフトの導入で図面の作成時間が10分の1ほどになったという使用レビューも多く、申請書類や見積書の作成もスムーズに行うことができるようになります。
精度向上
また、ただでさえ部材の数や種類の多い水道工事では、平面図や手書き図面などでの指示だと、個数や種類の記載ミスなどが非常に起こりやすいといわれています。
指示書の見にくさというのも水道工事では悩みどころのひとつとなります。
こうしたミスを防ぎたい場合は、部材や材料をマウス操作で画面上に配置していくだけで図面が仕上がっていく専用CADソフトがおすすめです。
部材表と連動していれば個数ミスや発注ミスが起こる確率も下がり、現場との意思疎通も確実なものとなるでしょう。
データ共有が容易
CADで作成した図面はデータとして保存・共有が可能です。
社内スタッフが作成した図面をすぐに現場スタッフが確認できるため、作業効率を大幅に高められます。
協力会社に説明する際は、専用CADで作成した配管図面を共有してリアルタイムで打ち合わせをすることで認識のズレがなくなり、円滑な工事につなげられるでしょう。
特に遠方にいる相手とのデータ共有ができる点は大きなメリットとなります。
手書きの図面でも写真を撮影して共有することは可能ですが、手間がかかるうえに細かい部分は伝わりにくいため、CADを使用するのがおすすめです。
このように、配管図面にかかる時間や労力を短縮化・効率化することによるメリットはたくさんあります。
作業を効率化して工事の精度を高め、迅速なデータ、見積書の作成で顧客にわかりやすく工事の説明ができることも大きなメリットです。自社にとって使い勝手のいい専用CADソフトを導入しましょう。
水道工事の配管図面作成・見積りなら専用ソフト「plusCAD電気α」「plus CAD 水道V」がおすすめ
水道工事の配管図面作成・見積りをするなら、専用ソフト「plusCAD電気α」・「plusCAD水道V」がおすすめです。
手書きの図面作成で効率性が悪く社内リソースを活かしきれていない、使用しているCADソフトが使いにくいなどの悩みがある企業・個人事業主の方に最適なソフトと言えます。
「plusCAD電気α」・「plusCAD水道V」は、ほぼマウス操作のみで図面を作成することが可能なCADソフトで、従来のソフトよりも圧倒的な速さで図面を作成できます。
間取りや器具から配管図を自動作成できるため、パソコン操作が不慣れな方でも時間を掛けずに図面作成ができるでしょう。
しかも、図面を作成したらワンタッチで見積書を作成してExcelに出力することが可能です。
また「plusCAD水道V」は縦断面図やアイソメ図の自動作成もできます。
さらに、全国市町村の申請用紙に対応している点も大きな強みです。
申請ノウハウを自動で読み込むため、申請作業が未経験の方でも短時間で申請書を作成できます。
使い方がわからない場合でも、訪問・電話・通信・LINEの4種類の無償サポートがあるので安心です。
「初期設定ができるか不安」「使い方が難しいかも」といった心配もありません。
水道工事の配管図面の専用CADソフトついてよくある質問
水道工事の配管図面作成の手順
水道の配管図面は、まず建物の間取りなどが書かれた平面図やCADをもとに作成していきます。
配管は赤線などで引き、配水管の一般表示、口径、管種、そして取り出し位置や消火栓、仕切弁、メーターなどのシンボルを書き込んでいきます。
こうして作成する配管図面が「平面図」で、ちょうど建物を俯瞰で見た場合の配管の様子がわかる図面です。
この平面図は公的機関への申請書類となりますし、現場の工事担当者に見せる基本的な図面になります。
これに加えて、実際の現場では建物を横から見た図面である「側面図」、正面から見た「正面図」を作成し、場合によってはこの3種類の図面を1つにした立体図面である「アイソメ図」を作成することもあります。
一通り図面が完成したら、材料の種類などを明記した「材料拾い」をデータ化し、専用の申請書類や見積書などの書面を作成して、ようやく工事前の準備が完了します。
これらの図面はすべて連動しているので、修正する場合にはすべての図面を修正しなければなりません。
水道の配管工事というのは、工事前の検討段階や現場での状況によって図面を修正することが頻繁に起こりますし、年代のわからない配管を使用しているケースではその材料拾いが非常に難しいこともあります。
必須の図面ではないとはいえ、立体的なイメージを現場に伝えることのできるアイソメ図は寸法や交差の状況などがわかりやすいので、作成しておくと現場で非常に重宝されるでしょう。
水道配管の種類と「材料拾い」
水道配管に使う管の種類は材質、口径などがさまざまあり、年代や場所、用途によって種類が全然違うこともあります。
水道工事の配管図面作成では、こういった配管の種類のデータを既存のもの、新設のものを含めて、現場に最もふさわしい材質の配管を導き出さなければなりません。
水道配管には、かつては「鉛管」や「鉄管」が使われていました。
しかし、これらの管は健康被害の恐れやサビが出るといった理由で撤去が進んでいますが、古い建物ではいまだに使用されていることもあります。
こうした古い配管がある現場では新しい配管に取り替える工事が必要となるでしょう。
現在の主流はいわゆる「ポリ管」で、ポリエチレン管です。非常に扱いやすく種類も豊富で、時代のニーズに合わせた新製品も生まれています。
材料拾いの段階では、古いものだと規格の基準が変わってしまった項目が多く、同様の管材を集めることにかなり苦労します。
さらにポリ管にいたっては種類があまりに多いため、現場に合ったものを選ぶには管材に関する豊富な知識が必要です。
適切な管材を拾い出すことは、安全な水道工事と正確な見積書の作成につながります。
「アイソメ図」の作成方法の基本
アイソメ図、いわゆる立体図面は現場で非常に重宝されますが、あくまでも参考図面であるために必ず用意しなければならないものではありません。
現場で渡された平面図の配管図面をもとに、工事担当者が一生懸命フリーハンドで描いていることもよくあります。
アイソメ図を作成することは描いた経験のない人にとってハードルが高いのですが、一度描いてコツを覚えればそれほど難しくはありません。
アイソメ図の作成には特定の書式や決まりごとはありません。
等角図用の方眼紙を利用して描くと、立体的な作図がしやすいのでおすすめです。
コツはとりあえず配管の長さを意識せず、あくまでルートがわかりやすいように意識して描くこと。
手前の配管を優先して奥側の配管の交差する線を切り、天と地の方向を意識して描いていきましょう。
うまくルートが描けたらフランジやエルボなどの部材を書き込んでいくと完成です。
アイソメ図はあくまでも参考見取図で、複雑な配管図面を視覚的にわかりやすくするためのものです。
ただフランジやバルブなどの配置や数を確認しやすくなるので、部材の不足などにも気づきやすくなります。
アイソメ図はCADで製作することができますが、現場で簡単に描けるスキルがあるととても便利です。
水道工事ではどんなCADがおすすめ?
水道工事を行う際は、配管の平面図、立体図の工事図面や材料などのデータを細かく記載した見積書などを申請書類とともに作成しなければなりません。
配管工事では配管のルート変更や部材の変更も頻繁に起こりますから、図面の修正に時間がかからないように効率化しておく必要があります。
そこで、専用のCADソフトを導入することになります。
最近では水道工事専用CADソフトの種類も増えていますので、どれを導入したらいいのか迷っている方も多いでしょう。
そこで、簡単にソフトを選ぶポイントを挙げておきます。
まず重要なのは、データを修正する場合の手間がほとんどかからないソフトを選ぶことです。
水道工事の配管図面ではデータの修正が日常茶飯事ですが、1つの数値を変更するだけでも関連する図面や書類のすべてを変更しなければならなくなります。
したがって、ソフトにデータを入力するだけで見積書から部材表まで連動して反映される機能を備えたソフトが非常におすすめです。数値だけでなくルートなどのデータ変更が平面図や立体図に自動的に反映されるソフトだと、さらに便利でしょう。
ただし、機能が複雑すぎて分厚いマニュアルを読まないと使えないソフトもあります。
使いにくくてせっかくのソフトがお蔵入りしているというケースも少なくありません。
そのため、初心者やパソコンの苦手な人でも使いやすいことが、ソフト選びの第2のポイントとなります。
専用CAD導入の最大のメリットとは?
一般的なJWCADを利用して配管図面を作成していると、簡単な文字の入力や削除でも相当な手間となります。
そして、立体図面や縦断図の作成は立体CADの操作に通じていないと難しいため、手作業で行っている業者も多いのが実情です。
しかし最近リリースされている専用CADソフトでは、マウスクリックだけで図面が作成できる、立体図面も自動的に作成できる、といった機能を備えたものが増えてきています。
こうしたソフトを活用して得られる最大のメリットは、時間の短縮化です。
専用ソフトの導入で図面の作成時間が10分の1ほどになったという使用レビューも多く、申請書類や見積書の作成もスムーズに行うことができるようになります。