- 2025年02月21日
配管の種類を一覧比較で一挙解説。水道管の違いや素材の種類・特徴

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水道管の選択は住宅の快適さや耐久性に影響を与えます。本記事では、配管の種類や素材の違いについて詳しく解説します。鉄管、鉛管、樹脂管、塩ビ管など、各種配置の特徴を比較し、配管選びに役立つ情報を提供します。適切な配管素材を理解することで、より良い選択が可能になります。
水道管にはどんな種類があるの?
水道管には多くの種類があり、用途や環境によって異なる素材が使われています。主に鉄管や鉛管、樹脂管、塩ビ管などが一般的です。
鉄管は耐久性が高いですが、腐食の問題があるため定期的なメンテナンスが必要です。鉛管は昔から使われていましたが、健康リスクが指摘され、使用が減少しています。
樹脂管は軽量で施工が容易なため、最近の新築やリフォームで人気があります。塩ビ管は耐薬品性があり、水道以外でも広く使用されています。特にVU管やVP管、HIVP管は一般的です。
選択肢が多様な水道管の中から、目的や条件に適したものを選ぶことが重要です。それぞれの特徴を理解し、適切な選択をすることで、長期的な使用が可能になります。
配管の素材の種類
配管の素材には多様な種類が存在し、それぞれに特性や用途があります。なかには、配管材質ごとの特徴や適切な使用箇所について詳しく知りたいと考えている方が多いでしょう。また、配管工事を行う際に、材料の選定に悩むことも少なくありません。ぜひ、以下のわかりやすい表を参考にして、あなたの工事に最適な材料選定に役立ててください。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット | 使用用途 |
---|---|---|---|---|
鉄管(鋼管) | 耐久性に優れ、高い強度と耐圧性を持つが、腐食に弱い。防食処理が必要。 | 高強度・高耐圧・施工容易 | 腐食しやすい・重量がある | 配管システム全般 |
鉛管 | 柔軟で加工しやすいが、健康への影響が懸念され、現在は使用が減少。 | 加工しやすい | 健康への影響・水漏れの可能性 | 古い建物の水道管(交換推奨) |
樹脂管(HIVP管・ポリ管) | 軽量で耐腐食性が高く、施工が容易。地下埋設や高温環境でも使用可能。 | 耐食性・軽量・長寿命 | 紫外線に弱い・温度変化に弱い | 給水・給湯配管・高温環境 |
塩ビ管(VU管・VP管・HIVP管・HTVP管) | 耐腐食性に優れ、用途に応じた種類がある。軽量で施工が容易。 | 耐食性・軽量・施工性良好 | 直射日光に弱い・耐圧性が金属管より劣る | 給水・排水・給湯配管 |
銅管 | 耐久性・抗菌性が高く、水道管や冷暖房システムに広く使用される。 | 耐熱性・抗菌性・耐腐食性 | 施工時に注意が必要・コストが高い | 水道・冷暖房システム |
エルメックス管 | 高性能な銅合金管で、耐腐食性と熱伝導性が高い。リサイクル可能。 | 高耐食性・熱伝導性・リサイクル可能 | コストが高い | 給湯配管・冷暖房・水道 |
ダクタイル鋳鉄管 | 通常の鋳鉄より強度と耐久性が高く、上下水道や工業用配管に使用。 | 高強度・耐久性・加工性良好 | 重量がある | 上下水道・工業用配管 |
ステンレス鋼管 | 耐食性・耐久性に優れ、水道・ガス供給に利用。清掃が容易で衛生的。 | 耐食性・耐久性・衛生的 | コストが高い | 水道・ガス供給・食品加工 |
耐火二層管 | 内層は樹脂、外層は耐火性の高い素材を使用し、火災時の延焼を防ぐ。 | 耐火性・施工が容易 | 特定の用途に限られる | 商業施設・公共施設の耐火配管 |
架橋ポリエチレン管 | 耐圧性・耐久性が高く、冷暖房や水道配管に適し、施工が容易。 | 耐久性・耐圧性・施工が容易 | 紫外線に弱い・特定用途向け | 水道・冷暖房・ガス配管 |
ポリブテン管 | 柔軟性が高く、給水・暖房用途で利用。紫外線に弱いが耐久性に優れる。 | 柔軟性・耐久性・施工が容易 | 紫外線に弱い | 給水・暖房用途 |
コンクリート管 | 主に排水・下水道・雨水処理に使用され、耐久性が高いが重量がある。 | 耐久性・長寿命・維持管理が容易 | 重量があり、設置に配慮が必要 | 排水・下水道・雨水処理 |
鉄管(鋼管)
鉄管(鋼管)は、主に炭素鋼から作られた耐久性に優れた配管材料です。高い強度と耐圧性を持ち、さまざまな配管システムに使用されます。施工も容易で、長寿命が特徴です。しかし、腐食に弱いため、適切な防食処理が必要です。ただし、軽量さや柔軟性には欠けるため、用途に応じた選択が重要です。
鉛管
鉛管は、主に水道配管に使用されてきた素材ですが、健康への影響が懸念されています。鉛は水中に溶け出す危険性があり、長期的な摂取により中毒症状を引き起こす可能性があります。そのため、多くの国で鉛管の使用は制限され、代替材料への転換が進んでいます。特に古い建物に多く見られる鉛管は、更新や交換が推奨されています。安全な水の供給を確保するための重要な課題です。
樹脂管(HIVP管・ポリ管)
樹脂管は、主にHIVP管とポリ管に分類され、軽量で耐腐食性に優れ、施工が容易な特徴があります。HIVP管は高密度ポリエチレンを原料としており、柔軟性や耐衝撃性が高いため、特に地下埋設や高温環境でも使用が可能です。また、長寿命であり、メンテナンスの手間が少ない点も魅力です。一方、ポリ管は高機能なポリエチレン系で、耐薬品性にも優れ、多くの用途で重宝されています。
樹脂管は一般的に金属管に比べて軽量であり、運搬や施工の負担が軽減されます。また、接続方法もフレキシブルなため、現場での工事がスムーズに進行できます。さらに、内面が滑らかであるため、水流がスムーズになり、流量を確保しやすい特性もあります。
このように、樹脂管は様々な利点を持ち、建設業界や水道システムにおける重要な要素として位置づけられています。特に近年では、環境意識の高まりに伴い、持続可能な素材としても期待されています。
塩ビ管(VU管・VP管・HIVP管・HTVP管)
塩ビ管には、VU管、VP管、HIVP管、HTVP管の4種類があります。それぞれ異なる特性を持ち、用途に応じて選択されます。特に、耐腐食性や軽量性に優れたポイントが評価されています。
VU管
VU管は、塩化ビニル(PVC)を素材とした水道管の一種で、主に給水や排水に使用されます。耐食性が高く、腐食による劣化が少ないため、長期間にわたり安定した性能を発揮します。
VU管の特徴としては、軽量で取り扱いやすく、施工も簡単な点が挙げられます。また、加工が容易で、必要な形状に切断したり、接続したりする際の労力も抑えられます。さらに、熱にも強く、温度変化による影響を受けにくい特性があります。
一方で、強度が鉄管に比べて劣るため、過大な負荷がかかる場所では注意が必要です。そのため、使用する環境や目的に応じて他の配管素材との比較・検討が求められます。これにより、適切な選択ができるでしょう。
VP管
VP管は、耐薬品性と耐久性に優れる塩ビ管の一種であり、特に給水配管や排水設備で広く使用されています。軽量で扱いやすく、施工が容易なため、多くの建設現場で選ばれる素材です。
また、VP管のもう一つの大きな特徴は、腐食に強い点です。鉄や銅に比べて錆びにくいため、長期間にわたり安定した性能を保持します。さらに、VP管は熱膨張が少なく、温度変化による影響を受けにくいため、さまざまな気候条件での使用に適しています。
これらの特性により、VP管は住宅や商業施設など、幅広い用途での配管において信頼性が高いと評価されています。どのような配管システムにも適合しやすく、コストパフォーマンスの面でも選ばれる理由となっています。
HIVP管・HI管
HIVP管とは、異なる樹脂を用いた圧縮成形による製品で、水道配管や給水設備など広範な用途に利用されています。耐圧性能や耐食性が高く、長期間の使用が可能です。
一方、HI管はHIVP管と似た特性を持ちながらも、異なる製造プロセスを経ています。特に、耐熱性が求められる用途に適しています。また、軽量で扱いやすく、施工性も優れています。
これらの管は、環境に優しい素材が使用されているため、持続可能な選択肢としても注目されています。お互いの特性を理解し、用途に応じて選択することが重要です。
HTVP管(HT管)
HTVP管(HT管)は、高温・高圧に耐えることができる仕様の配管で、主に工業用途に使用されます。特に、熱水や蒸気の輸送に適しており、エネルギー効率を高めるための選択肢として人気があります。HT管は、耐腐食性に優れた素材で構成されているため、様々な化学物質にも対応可能です。また、取り扱いが容易で、施工も比較的スムーズです。
これにより、設置およびメンテナンスのコスト削減に寄与します。加えて、耐久性が高く、長期間にわたって安定した性能を発揮します。このように、HTVP管は特定の条件下での使用において、多くの利点を持つ配管の一種です。
銅管
銅管は、優れた耐久性や抗菌性を持つため、水道管や冷暖房システムなどで広く使用されています。伝導性が良く、温度変化にも強いため、熱源の配管にも適しています。また、腐食に対しても比較的強く、長寿命が期待できます。ただし、コストが高めであり、施工時の注意が必要です。適切に使用すれば、信頼性の高い配管材として重宝されるでしょう。
エルメックス管
エルメックス管は、主に水道や冷暖房配管に使用される高性能な銅合金管です。この管は耐腐食性に優れ、長期間にわたり性能を維持できる特性があります。また、軽量で取り扱いやすく、優れた熱伝導性を持つため、給湯配管にも適しています。さらに、エルメックス管は環境に優しい素材としても評価されており、リサイクルが可能です。ただし、コストが高めであるため、使用環境やシステムによって慎重に選定する必要があります。
ダクタイル鋳鉄管
ダクタイル鋳鉄管は、鉄鋳物に一定の成分を加えることで、通常の鋳鉄よりも高い強度と耐久性を持つ配管素材です。これにより、腐食や荷重に対する抵抗力が向上し、特に上下水道や工業用配管に広く利用されています。
また、ダクタイル鋳鉄管は加工性にも優れており、様々な形状やサイズに対応可能です。加えて、密閉性が高く、水漏れのリスクが少ないため、安心して使用できる素材といえます。そのため、長寿命を求める配管システムに適しています。近年では、環境への配慮からリサイクルも進んでいます。
ステンレス鋼管
ステンレス鋼管は、耐食性や耐久性に優れた配管素材で、主に水道やガスなどの供給に使用されます。ステンレス鋼の合金成分により、外部環境からの腐食に強く、長期間にわたり安定した性能を発揮します。また、清掃が容易で、衛生的な特性も備えています。そのため、飲料水や食品加工の分野でも好んで使用されます。さらに、軽量であるため、施工が簡便である点も魅力です。この特性により、多様な用途に対応可能な選択肢となっています。
耐火二層管
耐火二層管は、主に建築物の耐火性能を高めるために設計された配管です。この管は、内層に樹脂を使用し、外層には耐火性の高い素材を用いることで、火災時の熱や炎から内部の流体を守ります。耐火基準を満たすため、延焼を防ぎ、一定の時間、構造物の安定性を維持する特性があります。これにより、消防活動が行いやすくなるため、安全性が向上します。また、施工が比較的簡単で、多様な用途に適している点も魅力です。使用される場面は多岐にわたりますが、一般的には商業施設や公共施設での採用が目立ちます。
架橋ポリエチレン管
架橋ポリエチレン管は、ポリエチレン樹脂を架橋反応により強化した配管材料で、耐久性や耐圧性に優れています。主に水道や冷暖房、ガスなどの配管に使用され、柔軟性があり施工が容易なのが特徴です。また、内面が滑らかで抵抗が少ないため、水流がスムーズに流れます。さらに、耐腐食性が高く、化学薬品にも強いので、長期間の使用が可能です。環境にも配慮されており、リサイクルがしやすい点もメリットです。
ポリブテン管
ポリブテン管は、ポリブテンという高分子材料を使用した配管で、主に給水や暖房などの用途で利用されます。軽量で柔軟性があり、施工が容易なため、特に新たな建設やリフォームでの採用が進んでいます。
耐久性に優れ、腐食や老化に強いため長寿命が期待できます。また、熱伝導性が低いため、断熱性にも優れています。ただし、紫外線に弱いため、屋外での使用には限界があり、適切な保護が必要です。ポリブテン管は、現代の配管システムにおいて重要な選択肢の一つとなっています。
コンクリート管
コンクリート管は、主に排水や下水道、雨水処理に使用される強固な配管であり、耐久性が高く、外圧や衝撃に対して優れた抵抗力を持っています。一般的に、セメントや骨材を用いて製造され、直径や長さはさまざまです。主な利点は長寿命で、維持管理が容易であるため、多くのインフラで利用されています。
ただし、重量があるため、運搬や設置時に配慮が必要です。また、内面の滑らかさが水流に影響するため、使用環境に応じた設計が重要です。コンクリート管は、都市インフラの重要な要素として広く採用されています。
配管の素材選びのポイント
配管の素材選びでは、流体の種類や圧力、設置環境などを総合的に考慮することが重要です。適切な素材を選ぶことで、耐久性や安全性を確保できます。
素材の特性をよく理解する
配管には金属系と非金属系があり、それぞれ異なる特性を持ちます。金属管(鉄管・ステンレス管・銅管など)は耐久性や耐圧性に優れますが、腐食のリスクがあります。一方、非金属管(塩ビ管・ポリブテン管など)は軽量で扱いやすく、耐食性に優れますが、温度変化や衝撃に対する強度に注意が必要です。
費用対効果を考える
コストパフォーマンスも選定の重要な要素です。塩ビ管は軽量で安価、施工が容易であり、腐食しにくいため長期間の使用に適しています。ただし、温度変化や高圧環境には不向きなため、用途に応じた慎重な選定が求められます。長寿命や耐久性を重視する場合は、ステンレス管や架橋ポリエチレン管なども選択肢に入ります。
適切な配管素材を選ぶことで、施工のしやすさや維持管理のコストを抑えつつ、安全で効率的な配管システムを構築できます。
まとめ
水道管には鉄管、鉛管、樹脂管、塩ビ管などがあり、それぞれ特性が異なります。鉄管は耐久性が高いものの腐食のリスクがあり、鉛管は健康面の問題から使用が減少。樹脂管は軽量で施工が容易、塩ビ管は耐薬品性が高く幅広い用途で使用されています。
適切な配管を選ぶには、用途や設置環境を考慮し、耐久性・施工性・コストなどを総合的に判断することが重要です。配管選びにより住宅の快適さやメンテナンス負担が変わるため、特性を理解し最適な素材を選びましょう。
配管選びは住宅や建物の耐久性に直結する重要な要素です。適切な配管素材を選ぶことで、メンテナンスの手間を減らし、長期的に安心して使用できます。
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