- 2024年07月29日
水道図面の書き方とは?作成時の注意点や効率的な作成方法を解説
水道図面の書き方次第で水道工事の進捗が変わるため、図面の仕上がりは重要です。私たちの生活に欠かせないインフラである水道を設置する工事を、スムーズに完了し、飲料水や生活水を安全に供給するためには、正しい情報を網羅した水道図面が必要になります。
この記事では、水道図面の役割から作図のポイント、具体的な書き方や注意点などについて詳しく解説します。
人的ミスを防ぎ、作図の効率性を高めるCADソフトについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コンテンツ
工事における水道図面の役割
水道は日常生活に欠かせないインフラであり、水道工事はさまざまな工事のなかでも特に図面の重要性が高い工事といえます。
水道工事では地面を掘削し、道路の下など地中に給排水管を埋設、接続する作業を行います。見えない場所に埋設されている既設の水道管や水道以外の管を傷付けないよう、正確な情報を記載した図面が必要です。大掛かりな水道工事を円滑かつ安全に進めるうえで水道図面は重要な役割を担うため、必要な情報がわかりやすくまとめられていることが大切です。
既存の水道管や道路を含む現地の情報、工事完了後の完成図が正しく図面に反映されていなければ、水道が正常に機能しない可能性が出てきます。安全な飲料水が蛇口から供給できない、汚水が処理場に集められない、といったトラブルにもつながるでしょう。
また、水道工事を行う前に水道局へ申請する際にも、正確な水道図面が必要です。水道本管は水道局によって厳格に管理されており、水道工事を行うためには認可を受ける必要があります。また、各自治体が認めた指定事業者のみが工事を請け負えます。
水道図面は、水道工事はもちろん、水道管理にも関わる情報をまとめた重要な資料です。
水道図面を作成するときのポイント
水道工事は各自治体ごとに管理されており、水道図面の作成要領などの基本事項をよく確認して作図する必要があります。ここでは、水道図面を作成する際の主なポイントについて解説します。
指定された用紙の書式やサイズを守る
水道図面には設計図や完成図などの種類がありますが、多くの場合は工事場所を管轄する自治体にて書式が指定されています。例えば、A3サイズの原図をホームページなどでダウンロードして使用すること、図面が複数ある場合は2枚目以降に2番以降の書式を使用することなどです。
また、図面は正確かつ簡単明瞭であること、製図機器などを使って直線や曲線を記載し、フリーハンドで書かないことなど細かく決められているので、事前に確認が必要です。
図面に規定の情報を記載する
水道図面ごとに記載すべき情報が定められています。抜け漏れのないよう注意しましょう。例えば、方位、案内図、平面図、立面図(配管図)などには給水装置工事主任技術者名を必ず記載し、押印する必要があります。
また、必要に応じて詳細図や系統図など追加の図面も作成するよう定められています。
必要な図面の種類を確認しておく
水道工事に必要な図面は主に以下のものがあります。
- 案内図(位置図)
- 平面図
- 立面図
- 詳細図
なお、貯水槽以下の施設は水道法に規定されている給水装置ではありませんが、飲料水供給施設全体として把握するために以下図面の添付が必要です。
- 配管系統図
- 屋外配管図
- 各階平面図
- メーター部分拡大図
水道図面の書き方
ここからは、水道図面の具体的な書き方を見ていきます。自治体に申請書類として提出する水道図面は、書式などは指定がありますが、図面作成方法は基本的には自由です。
案内図(位置図)
- 最新版の案内図にページ及び番号等を記入する
- 案内図の位置を明確にする
平面図
- 配管は配水管から記入する
- 道路形態及び幅員、公道又は私道の別、隣接家屋名を記入する(個人宅の場合は住所)
- 分岐工事がある場合は、オフセットのポイント3点を記入する
- 受水槽が設置される場合には、その位置を記入する
- 部分的な説明は詳細図として記入する
- 給水管から分岐する場合(分岐しているものを含む)は分岐する給水管の前後の分岐軒数も記入する
立面図
- 平面図に対して配管等を15度に書き表す
- すべてに管種及び口径を記入する
- メーター1次側及びメーター前後の管長を記入する(単位:径はmm、長さはm)
上記は一例であり、実際の水道図面の書き方は市区町村などの規定を確認する必要があります。
水道図面を書くときの注意点
ここからは、水道図面を書くときの注意点について解説します。
図面記号を使用する
水道図面の作成時には図面記号を使用します。図面記号を適切に用いて図面を作成することで、さまざまな配置が簡単に把握でき、スムーズな現場作業につながります。水道図面で使われる図面記号にはさまざまなものがありますが、ポンプや給排水管、水栓、湯栓、トラップなどが挙げられます。
公共桝や消化管、スプリンクラー管などの水道管以外の管との違いや位置関係も表すことが可能です。形や色でわかりやすい表記ができるように工夫されているものもあり、図面記号を適切に把握し必要に応じて活用しましょう。
複数人でチェックする
水道図面のチェックは、作成した担当者以外の人を含め複数人で行いましょう。さまざまな立場の人が異なる角度からチェックすることで、寸法や符号のミスなど不備を見落とすリスクを避けられます。また、各作業者の視点から指摘することで、最適な図面を作成できます。
効率よく水道図面を書くためのおすすめCADソフト
水道図面の書き方は主に手書きとCADの2つですが、作図効率を高め、事務作業をスムーズにこなすためにはCADを用いた図面作成を推奨します。水道図面に特化したCADソフトである「plusCAD水道V」は、水道工事に関する業務全般に特化したCADソフトです。
水道工事に必要な設計図や施工図をはじめ、水道工事に必須となる各自治体に提出する申請書類の作成が可能です。自治体によって必要な工事申請書類は異なりますが、plusCAD水道Vでは、市区町村を指定するだけで自治体別のパーツや記号を反映し、適切な書式の書類を作成、出力できます。
また、MicrosoftのOfficeがベースのため、普段使い慣れているWordやExcelと同じような感覚で使える点も特徴です。
さらに、図面作成の作業が自動化されており、材料の拾い出しなども手書きの作図に比べて大幅に短い時間で完了できるでしょう。上下水道申請図や水道工事の図面も、マウスのドラッグ&ドロップ機能のみの簡単な操作で作成できます。
まとめ
水道図面の書き方は、各自治体の書式や規定に沿って進めることが重要です。水道工事に使用する設計図や施工図などの水道図面の仕上がりは、水道を使用する人や工事場所の周辺エリアの安全性や生活品質に直接影響する可能性があります。
基本的に各自治体のホームページから規定の書式をダウンロードして使用できますが、詳細については事前に問い合わせておくと無難でしょう。
水道図面の作成には、水道工事に特化した機能を完備したplusCAD水道Vがおすすめです。「plusCAD水道V」は簡単なマウス操作で作図ができるため、CAD操作に不慣れな社員でも、短期間で作図や書類作成の機能を使いこなせるでしょう。
図面作成にかかる時間を削減し、人的ミスのない正しい水道図面を作成するためにplusCAD水道Vの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
水道図面の書き方についてよくある質問
水道図面の主な役割は?
水道という地域住民にとって重要なインフラを支える水道工事を適切に遂行するために、水道図面が重要な役割を担っています。水道工事では地面を掘削し、道路の下など地中にある給排水管を埋設、接続する作業を行います。
埋設されている既設水道管や水道以外の管を傷付けてしまうと、生活に支障を来たす可能性があります。トラブルを回避し、スムーズに工事を完了するためには正確な情報を記載した図面が必要です。
また、水道工事を行う前に水道局へ申請する際にも、正確な水道図面が求められます。水道本管は水道局によって厳格に管理されており、水道工事を行えるのは各自治体が認めた指定事業者のみと決まっています。
水道図面を書くときの注意点は?
水道図面では一般的に図面記号を用います。さまざまな種類の記号がありますが、水道工事で使用する記号はおおむね共通しているので、把握しておくとスムーズな図面作成につながります。
また、寸法や部材の品番などの情報がすべて正確に記載されていることを確認するとともに、異なる関係者が違う視点からチェックすることも大切です。設計者など図面を作成した人以外がそれぞれの角度から内容を確認することは、人的ミスを防ぐことにもつながります。
水道図面を書く際に手書きよりもCADソフトが望ましい理由は?
水道図面は、各自治体で書式などの規定がありますが、書き方自体は自由です。作図方法には、大きく分けて手書きとCADソフトの2つがありますが、総合的に見てCADソフトがおすすめです。
CADソフトで水道図面を作成する場合、手書きに比べて変更や修正が簡単で、保存すれば瞬時に反映されるため最新の図面データをすぐに閲覧できます。また、データで管理するため紙の図面を持ち歩く必要がなく、タブレットやスマホ、パソコンなど全社員のデバイスで共有することも可能です。
CADソフトは図面に特化したアプリケーションですが、マウス操作だけで簡単に作図や資料作成ができるplusCADのようなものもあるので、自社に適したものを検討してみましょう。
水道図面にはどのような図面の種類がありますか?
水道工事に必要な図面には、設計図、施工図、平面図、立面図、案内図などがあります。ただ、自治体などによって図面のサイズや規定などが異なるため、工事現場ごとに確認したうえで作成、提出しましょう。