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  • 2024年08月08日

現場管理とは?管理すべき要素や仕事内容、必要な資格を解説

経営に役立つ知識
現場管理とは?管理すべき要素や仕事内容、必要な資格を解説

建設現場では、工事を安全かつスムーズに進めるために現場の責任者となる管理者の存在が欠かせません。現場管理者は一般的に施工管理や現場監督と呼ばれることが多く、両者は同じような意味合いにとられがちですが、実は業務内容に違いがあります。この記事では、これから現場管理を目指す方、現場管理者を雇用しようと考えている方に向けて、現場管理の概要、管理すべき要素や仕事内容、必要な資格を解説します。

現場管理とは?

現場管理とは、工事現場の責任者として指示を出して現場に関わるすべての業務を管理をする業務のことです。受注した工事を定められた期間に完了させるのはもちろん、工事現場内での事故を防ぎ、品質の高い施工をするためには現場管理者の存在が欠かせません。
現場管理者の業務内容は、工程・品質・安全の管理をはじめ9つの管理項目があり、どれかひとつが欠けても工事の精度が下がってしまいます。そのため、現場管理者は適切に段取りができ、社内外と円滑なコミュニケーションがとれる人材であること、物事に対する責任感があることが重要です。また、決められた予算内で工事を行い利益を出すのが責務ですから、経理能力も求められます。いわゆる「どんぶり勘定」では利益が出にくいので、人材や資材をしっかりと管理することが大切です。
現場管理者となるには資格を取得する必要はないものの、一般的には施工管理技士の資格を取得している人が現場管理者となり、工事の責任を負います。施工管理技士には一級と二級があり、一級のほうが資格取得の難易度が高く対応できる工事の範囲が広がります。なお、現場管理と同じ読み方に「現場監理」がありますが、こちらは建築士の独占業務となっており、設計図通りに工事が行われているかをチェックする業務です。
 

 

施工管理と現場監督の違い

現場管理をする人材のことは一般的に施工管理または現場監督と言いますが、両者を同じ意味合いで使っている人も多いかもしれません。実は施工管理と現場監督には違いがあります。
 

施工管理と現場監督の業務内容

施工管理は受注した工事を定められた期間内で完了できるように、工事現場を管理するのが主な業務です。現場管理者として作業員に指示を出し、工事を安全かつ適切に進めて工期内に完了するように務めるのが主な業務内容です。現場監督も施工管理と同様の業務を担うため、この点において両者に違いはありません。
 

施工管理と現場監督の異なる業務内容

施工管理は、現場の管理以外に書類作成などの事務作業も担当します。たとえば各協力業者に具体的な指示を出すために、設計図書を確認しながら施工図を書き起こすのも施工管理の仕事です。現場監督は現場に出て工事状況を確認し、施工方法や安全面の指導を行うほか、資材の数量をチェックして発注するなどの業務を担当します。このような違いから、建築現場に常駐しながら事務作業も担当する人を施工管理、現場での管理業務を担当する人を現場監督と呼ぶのが一般的です。
ただし、施工管理と現場監督の呼び方や業務内容の違いについて法令で定められているわけではありません。そのため、建設会社によって違いもあります。たとえば施工管理者が現場監督の業務も担当したり、現場監督と呼ばれている人が施工管理の業務も担当したりするケースもあります。また、施工管理技士の資格保有者を施工管理者と呼ぶ場合もあるなど、会社によってさまざまです。
 

 

現場管理で管理すべき要素

一口に現場管理と言っても、行うべき業務は多岐に渡ります。具体的にどのような仕事をするのか、9つの管理業務を解説します。
 

工程管理

建設工事は決められた工期内に工事を完了する必要があり、あらかじめ決められたスケジュール通りに工事を進めるのが基本です。そのためには、工種ごとに必要日数を把握しながら工程表を作成して管理します。天候不順や自然災害などで工事ができないケースも想定されるので、予備日を設けたり協力業者と相談して工程表を変更したりするなど、柔軟な姿勢も必要です。
 

品質管理

建築基準法で定められている基準や、仕様書に定められている品質をクリアするように管理する業務です。品質の高い完成物は、ミスやロスのない施工によって生み出されるので、明確な品質基準を定めて検査する体制を確立しましょう。
 

原価管理

多くの工事を受注できても利益がでなければ会社を存続させることはできません。工事規模にあわせた適切な人員配置、過不足のない資材数量などを管理し、確実に利益が出せるように管理する必要があります。ただし、コストを削減しすぎると工期や品質、安全面などに悪影響を及ぼすリスクがあるため注意が必要です。
 

労務管理

建設現場には下請けや孫請けなど複数の業者が入っていることが多く、現場で何らかの事故が生じた場合は元請けが責任を負うケースが少なくありません。労災事故が発生すると元請けの背金となるので、労働基準法や建築基準法をはじめとする法令の遵守、現場作業員の労働時間や休日の管理、事故防止対策が欠かせません。
 

資材管理

現場で使用する資材を必要な分だけ発注し、納品された資材を検品する業務です。検品は納品直後に立会い検査を行い、納品物に間違いないことを確認します。発注した資材の数量や品番、品質などを確実にチェックできるように、明確なルールを作成しておくと管理業務の負担を軽減できます。
 

安全衛生管理

建設現場がきれいな状態を保ち、安全に作業できる環境を整えるための管理業務です。工事現場は重機周辺や高所での作業、むき出しの鉄筋や不安定な足場など危険な箇所がたくさんあります。安全衛生基準を作成し、協力会社とともに定期的に現場パトロールを行い工事現場の安全と衛生面をチェックします。
 

手続き管理

工事に関わる各種書類の作成、保管、手続きの管理を行う業務です。着工前の申請書や協力会社への発注書、顧客との打ち合わせをするための案内書の作成なども手続き管理の業務に含まれます。
 

廃棄物管理

環境保護や公衆衛生の観点から、建設現場から出るゴミの量を減らすことが「建設廃棄物処理ガイドライン」で求められています。現場管理者は、ゴミが不法投棄や野焼きで処分されることがないように管理しなければなりません。
 

顧客管理

工事が円滑に進んでいても、顧客から要望やクレームが入る場合もあります。しっかりと対応しなければ会社の評判を下げてしまい、今後の工事受注に影響が出るかもしれません。現場管理者は、会社を代表して現場を管理しているため、会社の顔として顧客と真摯に向き合うことが大切です。
 

 

現場管理の仕事内容

現場管理者は、管理すべき要素のすべてに対応して工事を完成させる役目を担っていますが、具体的にどのような仕事をするのでしょうか。現場運営において主な仕事を3つ紹介します。
 

工期内で完成するスケジュール作成

顧客との取り決めによって定められた工期内で工事を完了するのが絶対条件です。工種ごとに必要な日数、季節によって異なる天候などにも十分に配慮しつつスケジュールを作成します。工事期間が長くなる場合は、月単位のスケジュール作成も必要です。各工事の必要日数は、現場管理者と作業員で認識がずれている可能性もあるので、協力会社の責任者との打ち合わせも行いましょう。また、官公庁への申請手続きが遅くなると工期に影響するおそれがあるので、早めに手続きを済ませることが大切です。
 

人材・資材・機材の管理や調整

予算内で工事を完成させて利益を出すには、無駄なコストをできるだけ抑える必要があります。作業員が多いほど工事の進捗スピードが上がりやすいものの、必要以上の作業員を投入すると動きが悪くなる場合があるためバランスが重要です。資材は工程にあわせて必要なタイミングで発注をかけ、納品された資材は確実に検品を行ったうえで盗難被害に遭わないように管理します。工程の後半で使用する資材を初期段階で発注しておくと工事の邪魔になるので避けましょう。また、現場で使用する工具や機材は整理整頓された状態になっていることでスムーズに作業できます。協力業者を巻き込んで管理体制を整えましょう。
 

現場内の事故を防ぐための管理・指導

建設現場は危険が伴う箇所が多いため、各現場では事故を起こさないようにさまざまな取り組みがなされています。たとえば5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)への取り組みは多くの工事現場で導入されています。現場管理者には、策定したルールを運用して工事の安全性に配慮することが求められます。また、協力会社の責任者や職長などと一緒に現場パトロールを行い、危険個所を発見して改善したり、安全面のルールを徹底するように指導したりするのも重要度の高い業務です。
 

 

現場管理に必要な資格

資格を取得しなくても現場管理の仕事に携われますが、現場の責任者として工事を担当する場合は資格が求められます。現場の運営・管理に欠かせない3つの資格を解説します。
 

施工管理技士

施工管理の技術を証明する国家資格で、土木・建築・管工事・電気工事・電気通信工事・造園・建設機械の7種類あります。それぞれ一級と二級があり、上位資格となる一級施工管理技士を取得すると、後述する監理技術者として現場の監督・指導が行えます。ただし難易度が高いので、まずは二級施工管理技士を取得して知識と経験を積みましょう。
 

主任技術者

工事現場が適切かつ円滑に進められるように、作業員の技術面を指導監督する役割を担うのが主任技術者です。4,000万円未満(建築一式工事6,000万円未満)の建設工事を受注する際は、現場に主任技術者を配置する必要があります。主任技術者という国家資格があるのではなく、指定の要件を満たすことで主任技術者として従事できます。要件は「一級・二級施工管理技士などの国家資格を保有していること」「指定学科を修了したうえで所定の実務経験年数を満たしていること」の2つです。
 

監理技術者

建設工事を発注者から直接請け負い、工事を行うために下請業者と契約した請負代金の合計が4,000万円以上(建築一式工事6,000万円以上)の場合は監理技術者の設置が必須です。仕事内容は主任技術者と同様ですが、監理技術者は上位資格となり、規模の大きな建設現場で責任者として従事できます。
 

 

まとめ

現場管理は工事が工期内に完了できるように適切に管理する仕事です。管理すべき内容は9つあり、どれかひとつが疎かになっても円滑な工事ができません。なかでも、スケジュールや工事の品質、安全面の管理は重要度が高く、会社の信頼性や利益に直結する業務です。現場管理者として働くには、施工管理技士の資格が求められます。まずは二級施工管理技士の資格を取得し、知識や経験を積んでから一級施工管理技士へのステップアップを目指しましょう。
 

よくある質問

現場管理とはどんな仕事?

現場管理は、工種ごとに必要な日数、季節によって異なる天候などにも十分に配慮しつつスケジュールを作成し、定められた期間内に工事を完成させる役割があります。また、予算内で工事を完成させて利益を出すために、人材・資材・機材を管理するのも現場管理の大切な仕事です。適切な人員配置、過不足のない資材・機材の搬入によって無駄のない現場運営ができ、利益向上につながります。また、現場の安全性を保つことも現場管理の重要な仕事です。現場パトロールを行い、危険個所の改善や安全面のルールを徹底するように指導します。
 

施工管理と現場監督は何が違う?

施工管理と現場監督のどちらも、受注した工事を定められた期間内で完了できるように、工事現場を管理するのが主な業務です。現場管理者として作業員に指示を出し、工事を安全かつ適切に進めて工期内に完了するように務めるのが主な業務内容ですから両者に違いはありません。主な違いは、施工管理は書類作成などの事務作業も担当し、現場監督は現場に出て直接指揮・監督を行うのが主な業務となる点です。そのため、建築現場に常駐しながら事務作業も担当する人を施工管理、現場での管理業務を担当する人を現場監督と呼ぶのが一般的です。ただし、施工管理と現場監督の呼び方や業務内容の違いについて法令で定められているわけではなく、建設会社によって考え方、呼び方が異なります。
 

現場管理に必要な資格は?

現場管理は資格がなくてもできますが、工事をするためには主任技術者または監理技術者の設置が必要となります。その要件を満たすためには一級または二級施工管理技士の資格が必要です。主任技術者は、工事現場が適切かつ円滑に進められるように、作業員の技術面を指導監督する役割を担います。4,000万円未満(建築一式工事6,000万円未満)の建設工事を受注する際は、現場に主任技術者を配置する必要があります。監理技術者は、建設工事を発注者から直接請け負い、工事を行うために下請業者と契約した請負代金の合計が4,000万円以上(建築一式工事6,000万円以上)の場合に設置が必須です。
 


 

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