- 2024年07月16日
現場作業の防寒対策8選。おすすめアイテムや選び方を解説
建設業に関する知識
冬の現場作業では防寒対策が必須です。とりわけ屋外の現場では、ストーブなどの暖房器具を使用しながら作業することができないため、手がかじかんで、ミスや事故に繋がることもありえます。そこで今回は、現場作業をする方に向けて、おすすめのアイテムやアイテムの選び方を解説します。
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現場作業における防寒対策の重要性
防寒対策というとさまざまなアイテムや防寒具を身につけなくてはならないため「煩わしい」と感じる人もいるでしょう。確かに厚着をするだけでは、身動きの自由が奪われるため、逆効果になる場合もあります。防寒対策を考えるときには、状況に合わせて最適なアイテムを選ぶことが大切です。防寒対策を行うことの 意味や重要性として以下の2点が挙げられます。・寒さによって作業の正確さが損なわれ、ミスやケガが起こるのを防ぐ
・寒さから身を守り、風邪などの体調不良を防ぐ
特に冬場は寒さで指先が冷えやすくなります。そうすると手元が狂う確率が高くなるため、労働災害に繋がるような事故を引き起こしかねません。「寒さは我慢すればどうにかなる」と考えずに、きちんとした防寒対策が必要なのです。
現場に欠かせない防寒対策アイテムとは
防寒対策として装着できるアイテムにも限りがあります。無闇にグッズを携帯すると、身動きの自由が失われるため、必要なアイテムを必要な分だけ身につけることが重要です。ここでは、現場に欠かせない防寒対策アイテムに絞って紹介します。防寒対策インナー(ヒートテックなど)
インナー選びは防寒対策の基本。ユニクロの「ヒートテック」など、各社が開発している機能性インナーは、一般的な綿の肌着よりも高い保温性と保湿性を兼ね備えています。汗冷えによる風邪対策という面でも、メリットは大きいでしょう。作業員用のインナーはワークウェアブランドからも発売されています。防寒対策インナーを選ぶときには、なによりも「保温性」が大切です。しかし、あまり熱がこもりすぎても汗冷えの原因になるため、ドライな状態を維持できる「吸汗速乾加工」がされているかどうかもポイントです。また、現場作業を目的とするからには、動きを妨げない「ストレッチ素材」を使用しているものが最適です。製品によっては不快な汗の臭いを軽減する消臭機能や裏起毛素材、肌へのダメージを抑えるために縫い目を工夫してあるインナーなど、さまざまな種類があります。体質にあわせて選ぶとよいでしょう。
タイツ
現場作業の防寒対策としてはタイツも有効です。タイツというと女性用という印象があるかもしれませんが、最近ではスポーツウェアブランドなどが男性用のタイツも販売しています。薄手ながら高機能な製品もあるため、隠れたファンが多い防寒対策グッズです。タイツもユニクロの定番商品「ヒートテック」に代表されるように保温性に優れているかどうかがポイントになります。また、「動きやすさ」や「サイズ感」も重要です。タイツは基本的に身体に密着しやすい素材のため、購入するときにはサイズに間違いがないかをよく確認してください。また、インナー同様に「吸湿速乾素材」かどうかも選ぶときのポイントのひとつです。
ソックス
建設現場では足袋の着用が一般的ですが、冬場には防寒対策としてソックスを重ね履きするという人もいます。足袋は薄手の物がほとんどなので、防寒対策としては不十分で、足もとから全身の冷えに繋がる可能性があります。そのため、冬場には足袋の上から保温効果の高いソックスを履くのがおすすめです。先述した「ヒートテック」シリーズのなかにはソックスのラインナップもあるため、インナーと合わせて揃えるのもよいでしょう。現場での防寒対策としてソックスを選ぶときには、足もとの軽さを保つために「素材」や「厚さ」にこだわることが大切です。あまり厚手のソックスを履くと足下が締め付けられて感覚が鈍り、転倒しやすくなります。現場で足を取られてバランスを崩すと大事故に繋がる危険があるため、できるだけ薄手で保温性の高い素材を選びましょう。締め付けやムレをやわらげたいという人は、アウトドアウェアによく使われるメリノウール製のソックスが向いています。また、ある程度の長さがほしいという場合は、ソックスとともにレッグウォーマーを検討するのもよいでしょう。
手袋
手袋は防寒対策に加えて手を保護するためにも大切な役割を果たします。グリップ力が優れたものを選べば、物の落下を防ぐ効果も期待できますし、寒い季節は指先がかじかんで作業の精度が落ちるのを防げるというメリットもあります。現場作業の防寒対策として手袋を選ぶ場合、指の腹の部分に滑り止めのイボなどが付いたタイプや、素材が薄手でグリップの感触が伝わりやすいタイプがおすすめです。指先の感覚を重視したいという人には、手の甲を覆うのみで指先が出るタイプがよいでしょう。それよりも保温性を優先したいという場合は、裏起毛や防水コーティングがされた手袋や、特殊ゴムを使用した手袋など、素材にこだわって選ぶのがポイントです。
ネックウォーマー
ネックウォーマーは体温を維持するうえで大きな役割を果たすアイテムです。頸動脈が通る首筋を包んで、首回りから寒気が入らないようにするだけで、体温の低下を大幅に防げます。また、寒さが強いときに頭痛が発生するのを防いだり、耳の傷みをやわらげたりする効果もあります。ネックウォーマーであればマフラーと違って巻き込みの危険もなく、現場作業でも安心して使えます。ネックウォーマーを選ぶときに大切なのは「素材」です。保温性や防風加工があるかどうかを軸にアイテムを選びましょう。製品によっては特殊レーヨンなどを使って肌触りの心地よさと発熱性の高さを両立させているものもあります。汗に反応して発熱する特殊素材を使っている製品もあり、多種多様です。また、ネックウォーマーを選ぶときには「首の締め付けがきつくないか」「サイズ調整が可能かどうか」も重要です。息苦しさを感じずに作業に集中できるサイズ感のアイテムを探しましょう。
フェイスマスク
防寒対策を徹底したいという人には、フェイスマスクも欠かせません。寒気の強い日などは顔に風が吹きつけて寒さを感じやすいです。フェイスマスクを身につけていれば、顔が発する熱を内側に留めておくことができるため、体温を下げずに済みます。フェイスマスクを選ぶときには「デザイン」と「生地」に着目しましょう。鼻や口元まで覆われているタイプから、目のあたりまで顔全体をカバーできるタイプまで、フェイスマスクのデザインは多岐に渡ります。自分が普段どの部位に寒さを感じているのか、どの部位が覆われていると作業がしづらくなってしまうのかなどを考えながら、現場作業に適したものを選んでください。生地感が重視したい場合は、スポーツブランドが開発している薄手の特殊素材のフェイスマスクなどがおすすめです。
アウター
現場作業ではインナーを重ね着して体温調節をするのが基本です。しかし屋外での現場仕事の場合、やはりアウターも重要になります。アウターの防風効果が弱いと、作業中だけでなく移動時も寒い思いをしてしまいます。体調管理の面でもアウターの性能にはこだわるべきといえるでしょう。現場での防寒対策に着用するアウターは、裏地にフリース素材や起毛素材を使っているものがおすすめです。基本的には脱着することで体温を調節できるため、薄手よりは厚手の方がよいでしょう。ただし、あまりにも生地が厚くて身動きがとりづらいものは移動や作業の妨げになってしまいます。なかには薄手ながらも防風性に優れ、保温性の高い繊維が使われている製品もあります。また、高性能なアウターとして、リチウムイオンバッテリーや車載バッテリーを利用して発熱効果を高める「電熱服」を選ぶのも選択肢のひとつです。
カイロ
衣類の内ポケットに入れて暖を取ることができるカイロも、防寒対策に欠かせないアイテムです。冬の現場作業では、貼るタイプのカイロを背中や腹部に貼り付けているという職人も多いもの。手先が冷えるのを防止するために、手袋の手の甲に貼るという人もいます。また、ベストやアウターによっては程よい大きさのジッパー付き胸ポケットをあしらっているものもあるため、貼らないタイプのポケットを入れて防寒対策に活用しているというケースもあります。カイロは基本的に貼るタイプと貼らないタイプに分かれますが、現場作業では衣類に貼り付けて使うのが無難でしょう。ただし、肌に直に触れると低温火傷を負う恐れがあるため注意が必要です。最近では靴の内部に貼り付けて使う靴下用カイロなどもあるため、足裏や爪先の冷えに悩んでいるという人には、このタイプがおすすめです。